太陽公園お手軽世界一周…ただしかなりカルト。

姫路城が世界遺産に登録されてからか、姫路を訪れる外国からの観光客の姿が目立つようになってきました。この城は戦火を経験していないということもあって美しい姿を今に残しており、日本人も一生に一度は見ておく価値のあるものだと思います。しかし、残念なことに姫路にはこの他にめぼしい観光スポットがないので、遠くからやってきても姫路に一泊するというのはちょっともったいないというか、持て余してしまうのではないかと思われます。一応、Tom Cruise主演で渡辺謙真田広之も出演したハリウッド映画「ラスト・サムライ」のロケが行われた書写山円教寺や、サファリパークと遊園地がある姫路セントラルパークといったものはあるにはあるのですが、姫路城に比べるとどうしてもかなり小物に見えてしまいます。

しかしさらにマイナーなスポットなのですが、姫路市郊外の山間部に「太陽公園」というちょっと変わった公園があります。私はこれまで行ったことがなかったのですが、何度か「結構いいよ」という評判は聞いていて一度行ってみようと思っていて、この週末に妻が用事があるというので子供2人を連れて3人でどこかへ行こうということになったので、涼しくなったしちょうどいい機会だからと行ってみることにしました。

ここは「世界の石の文化を集結」ということで、世界中の石像や石でできたモニュメント、建築物その他を原寸大やミニチュアで再現しているというのが売りになっています。しかし今、敷地の隣にある小山の上に「白鳥城」なるノイシュヴァンシュタイン城のレプリカを建設中で、かなり遠くからもその足場が見えて異彩を放っています。この近辺は「白鳥台」という住宅街になっているのですが、この異様な風景は住民にとっては迷惑なのではないでしょうか。なにしろ一歩間違えれば、というよりほとんどセンスのないラブホテルにしか見えませんからね…

それはともかく、入口では多数の石像が迎えてくれるもののゲートもないのですが、その横のチケット売り場で入園料を支払い中に入ると、まずはパリのエトワール凱旋門1/2スケールほどのものが見えます。その先はモアイ像マチュ・ピチュなどがあったり、各地の遺跡の石像が立ち並んでいたりして最初からかなりディープな雰囲気を漂わせています。

ちょっと進むといきなり圧巻なのが兵馬俑です。しかも細かいのが、再現されているのは作られた頃の兵馬俑ではなく、現在も発掘調査が続けられている兵馬俑博物館であるというところです。そのため、まだ半分土の中に埋まっていたり、割れてしまっている俑などもしっかり再現されていて、壁に掛けられている写真で見られる本物の光景にそっくりにできています。凱旋門のいい加減さなどからすると、何もそんなところまでこだわらなくてもという気がしてしまうのですが、どうしてもここでは妥協できないようです。

またこの先には万里の長城のレプリカもあって、これがまたかなりの規模です。基本的に山の中にある施設なので結構傾斜がきついのですが、この斜面に沿って長城が築かれていて、本当に良くこんなものを作ったものだと感心してしまいます。たかだか2,3kmのレプリカでもそう思うくらいなのですから、6000km以上もあるという本物は一体どれほどのものなのでしょうか。

その他にはかなりイマイチなピラミッドスフィンクス天安門などもあって、入園料だけで済んでしまう割にはなかなか楽しめるところでした。私たちが行った日はあいにくの曇天でしたが、青空の広がる日ならなお一層気持ちよく過ごせるのではないでしょうか。

ただ残念なのは、この敷地内には老人ホームや福祉施設がいくつもあって、そこにいる人達が一体どういう気分でいるのかと考えさせられてしまうところです。そういうところで遊ぶというのはあまり気分のいいものではありません。また、当日はどういうわけかコスプレ関係のイベントがあったらしく、私はどうもそういうのが苦手なのですが、子供達も見てはいけない物のように感じたらしく何も言わなかったのが余計になんとも…