Black Swan私には耐えられない世界。

スター・ウォーズのファンにとってNatalie Portmanといえば惑星ナブーの女王、元老院議員であり、Luke SkywalkerLeia Organaの母であるPadmé Amidalaですが、そのNatalieがこの2月ついにアカデミー主演女優賞を手にしたというニュースがありました。もともと彼女の演技力は一級でしたから、いつかは獲るのではないかと思っていましたが、思っていたよりも早くてちょっと驚いたものです。

その受賞の対象となった作品「ブラック・スワン」はアメリカでは昨年公開されていたため昨年度の受賞となったのですが、ようやく日本でも公開されたということで、Katy Perryのライブに行くために取った休暇を利用して観てきました。平日の午前だったためもあり、私以外の観客は中年以上の女性と、それに付き合っているような人だけで、私のような男だけで観に来ているような人はさすがに皆無でした。まあそんなことは観終わってからわかったことなので一切気にしませんが。

Natalie演じるNinaが属するバレエ団が「白鳥の湖」の新解釈版を上演することとなり、その主役である白鳥と黒鳥の役にNinaが抜擢されるものの、白鳥は完璧に演じられながらも黒鳥の妖艶さを演じることに悩み、また大役のプレッシャーに押しつぶされていく、という様子を描いた作品です。詳しいストーリーはWikipediaに書かれているとおりですが、役に潰されていくNinaの狂気が結構怖いです。
Lily
テーマがバレエなのでバレエを踊るシーンがたくさんあるのですが、バレエなんてまともに見たことがない私には上手い下手も全く分かりませんし、白鳥と黒鳥とでどう踊り分けるのかなんてこともさっぱり分かりません。ただ、見る人が見れば判るのだろうというくらいですが、それでもこの映画を観ているうちに一度くらい本物のバレエも観てみたいと思うようになってしまいました。

さすがにオスカーを獲得しているだけあってNatalieの演技は本当に凄いものがあります。序盤のか細く弱々しい繊細な女の子から徐々に変化していく様子が見事です。また、もちろんバレエのシーンはボディダブルの踊りにNatalieの顔を合成したりしているようですが、バレエも一年以上特訓を重ねたようで、アップのシーンでもバレリーナらしい体の動きを見せていました。

Natalieを支える助演陣もそれぞれ素晴らしい演技で、いずれも破綻がありません。Ninaの代役に選ばれるNinaとは対照的なLilyを演じるMila Kunisも意味深な様々な表情を見せていましたし、Ninaが抜擢されるまで主役だったBethを演じているWinona Ryderも豊かな経験を持つだけあって鬼気迫るものがありました。特に終盤のシーンはなかなか凄いです。

ということで、たったの1300万ドルという製作費で作られてしまったのに作品の評価としても興行でも大成功を収めたということで、作品の良し悪しは製作費で決まるものではないということを改めて思い知った業界関係者も多いのではないでしょうか。ちなみにこの作品はR15指定となっていて、バレエの映画なのにどうしてかなあと思っていたら、Natalieがあんな事をするなんて…というほどのことではありませんが、もともと子供が観るような映画ではないのでレーティングの興行面への影響はないのでしょうね。TV放映時にどうなるのかはちょっと気になりますが。