これだけ期待されているとプレッシャーも相当だったでしょう。
映画を観に行こうと誘っても「DVDでいい」と言ってなかなか付き合ってくれない私の長男ですが、小さい時から大好きだった「パイレーツ・オブ・カリビアン」だけはちょっと特別なようです。小学一年生の時、学校で「好きな歌」を書くときに「パイレーツ・オブ・カリビアンの曲」と書いていたくらいなのですが、今回「パイレーツ・オブ・カリビアン -生命の泉-」のテレビCMが流れているのを観て、「これはちょっと観たいな」と呟いていました。それを聞いて私はここぞとばかりに立ち上がるわけですが、学習塾のせいで土日も多忙な長男を連れて行くには日曜の夕方以降というピンポイントしかありません。朝からテストと授業で疲れているだろうとは思いましたが、それでも観に行きたいというので二人でいつものシネコンへ行って観てきました。
これまでのシリーズの主要キャストのうち、Orlando BloomとKeira Knightleyの二人が今回から抜けてしまったということでどのように繋がるのかがちょっと心配されましたが、それはやはり杞憂だったようです。もちろん主人公Jack Sparrowを演じるのはJohnny Deppで変わっていません。そもそも、今作はJohnnyがまたJackを演じたいと言ったことから始まっているようなので、当然といえば当然ではありますが、JackがJohnnyでなかったとしたら全く違う雰囲気になってしまうかもしれません。
Hector BarbossaやJoshamee Gibbsの二人も健在ですが、今回ヒロインとして代わりに加わったのはアカデミー女優のPenélope Cruzです。Jackのかつての恋人である女海賊Angelicaとしての登場ですが、さすが海賊姿も堂に入っていて存在感があり、Johnnyとのバランスも非常に良いのではないかと思います。今後はしばらくPenélopeが出演するのでしょうか。エンドロール後のAngelicaがそのあと何をしたのかも気になるところですが…
今回は永遠の命をもたらすとも言われる伝説の「生命の泉」を求め、海賊も恐れる大海賊『黒ひげ』とその下に就くことになってしまったJack、イギリス海軍、スペイン海軍が争奪戦を繰り広げるというようなストーリーですが、黒ひげの船ではゾンビが働いていたり、人魚を誘い出して捕まえたりとファンタジーの要素がいろいろ取り入れられています。この人魚をめぐってもドラマがあって、実に盛り沢山で飽きることがありません。
ということでこれまでのシリーズに引けをとることなく楽しめる作品になっていたのですが、今回はシリーズで初めての3D版というのもポイントの一つでした。しかし、この作品については3Dの効果を活かしきれていたのかどうかはちょっと疑問です。3Dによる奥行き感とは引き換えに、プロジェクターを2台使用するIMAX 3D以外の方式では明るさが半減してしまうというのが問題で、何でもかんでも3D化すれば良いというものではないと思います。そのデメリットと価格差を上回る効果を得ることができないのであれば、あえて2Dを選択するというのも良いのではないでしょうか。まあIMAXで観ていれば感想も違うのかもしれませんが、そのためにはまた90kmドライブしなければいけないので…