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The Nutcracker and the Four Realms

Mackenzieが可愛いだけで私の目的は果たされていますが…

この11月に入ってからのワタシ的期待作ラッシュの4作目となる映画はディズニー作品「くるみ割り人形と秘密の王国」です。いい年してディズニーのお姫様映画というのも何ですが、それにはちょっとした訳があります。と言っても全く大したことはないのですが、主人公のClaraを演じるMackenzie Foyです。

18歳になったばかりのMackenzieですが、ハリウッドデビューとなったのは私も好きで観ていたトワイライト・サーガの最終章で主人公BellaとEdwardの間に生まれるRenesmeeで、これを演じていたのは6年前の12歳のときということになります。原作でも非常に美しいということになっていたので、一体どんな子役が演じるのかと思っていたらMackenzieだったというわけで、実はそれ以来ちょっと気にしていたのですが、本作ではいよいよMackenzieが主演ということだったので見逃すわけには行かなかったということです。

しかし、Rotten TomatoesのTomatometerは34%、Audience Scoreも37%という有様なのでやめておけば良かったのかもしれませんが、腐ってもディズニーだからと思っていたのに本作にはちょっと失望しました。せっかくの主演作なので応援したいのですが、残念ながら完全な失敗作となってしまっているようで、興行収入だけでは製作費の回収も危うい状況のようです。何が一体ダメなのかと言うと、いろいろ中途半端で退屈な作品になってしまっているのです。脚本の問題なのでしょうか。

タイトルで分かる通りこの作品はチャイコフスキーの有名なバレエ作品「くるみ割り人形」をベースにしてはいますが、設定のごく一部を流用しているだけでストーリーは大きく異なるようです。ただ、劇中にバレエのシーンを取り込んだり、チャイコフスキーの音楽を取り入れたりしてかなり意識して関連を持たせようとしているような感じがありました。ただ、それもなんだか中途半端で徹底されていないのが残念なのです。

天下のディズニーの王道的作品でもこういう事があるのだなと意外でしたが、黒歴史として闇に葬られるようなことがないことを祈ります。

Incredibles 2

Pixar史上最高傑作か。

もともとコンピューターグラフィックス制作のためのコンピューターハードウェアを製造・販売していた会社だったPixarですが、今やアニメーション映画制作で右に出るものはいないのではないでしょうか。Pixarの作品が素晴らしいのは映像技術だけではなく、そのシナリオが非常に優れていることですが、1作品のシナリオを練り上げるために2〜3年もの期間をかけると言われており、アニメーションにしっかりと魂が込められているということだと思います。

このため、見かけは子供向けの作品でありながら、しっかりと大人も楽しめものになっているのがPixar作品で、私はその点でかなり信頼しています。今週公開された「インクレディブル・ファミリー」も観るつもりでいたのですが、公開がちょうど毎月1日の映画の日に設定されており、さらにそれが水曜日の定時退社日だったので非常に都合が良かったので、夏休みの子供達に混じって一人でいそいそと見てきました。

前作「Mr. インクレディブル」からすでに13年半も経っているとは驚きですが、これだけ時間が経っていると当時の小学生のほとんどが成人を迎えていることになります。したがって、さすがに前作のストーリーを知らないとよくわからない、などということは全く無く、主要登場人物の設定を引き継いでいるだけということになります。実際、私も前作はほとんど忘れてしまっていましたが、それでも何ら支障なく楽しむことができました。なお、劇中では時間が経過しておらず、前作終了から間もなくの話ということになっています。

ストーリー自体はファミリー向け作品ということであえてシンプルなものになっており、どんでん返しも大人であれば予想できる範囲のものかと思います。しかし、かと言って決して単純なものではなく、また手に汗握るアクションが繰り広げられ、子供だましのようなことは全くありません。Rotten TomatoesでもTomatometer 93%という非常に高い数値になっていますし、興行収入でも北米で歴代アニメ作品最高記録を達成したというニュースもありました。それどころか、PG-13以外のどの映画よりも高い成績となったとのことで、これは映画好きなら見ておかなければならない作品になったということではないでしょうか。

このシリーズは全体的に原色系でフラットなトーンが印象的な画作りになっていると思いますが、実はクローズアップシーンでは非常にリアルなテクスチャが用いられています。もはや実写以上にリアルな質感を表現しており、CG技術もとんでもない所まで来てしまっているようです。誰もこの作品にそこまでのものを求めてはいないように思いますが、そういったところでも手を抜かず、あくまで技術の粋を極めるということが完成度を高めるためには必要なことなのでしょう。

ということで、ちょうど今日前作のテレビ放映が行われていたのでご覧になった方もいると思いますが、それで面白かったと思ったならぜひ本作もご覧になることをおすすめします。

Beauty and the Beast (2017)

ディズニー映画の正統。

つい先日の「ゴースト・イン・ザ・シェル」の時にも「アニメと実写の境界がどんどん曖昧になっていく」と書きましたが、これは何もSF的な作品に限ったことではありません。今回観た2017年版「美女と野獣」では予告で「あの名作をディズニーがついに完全実写化! 」と謳っていましたが、さすがに歌ったり踊ったりする家具調度類を実写で撮ることなどできないので、もちろんかなりの割合でコンピューター・グラフィクスが活用されているわけですが、ここで言う「実写」の定義はいったい何なのかと問うてみたくなります。ちなみにWikipediaの「実写」の項目には

実写 (じっしゃ)とは、本来は実況や実景を文章や絵で表現、またフィルムなどに写しとること(たもの)であり、記録映画を指す言葉である。アニメーションやCGなどの映像に対して、実際に撮影された映像を指す言葉としても使われており、本記事ではその意味として解説する。 (2017-05-02現在)

と書かれており、どうもこれに当てはまるとは思えませんが、かと言ってアニメーション映画化なのかというとそう言ってしまうのもかなり強引ですが、いずれにしても「完全実写化」は言い過ぎではないでしょうか。

それはさておき、ディズニーが満を持して、Emma Watsonを主役のBelleに据えて送り出してきた大作ですから、駄作であるはずもありません。1億6千万ドルという途方もない製作費がかかっているそうですが、そんなものは余裕でクリアしてしまう10億ドル以上の興行収入をすでに現時点で得てしまっているそうですから恐れ入ります。1991年版のアニメ映画も大ヒットしたので本作も約束されたようなものだったかもしれませんが、主題歌をAriana GrandeとJohn Legendのデュエットでカバーしているなどの話題作りも奏功したかもしれません。

「美女と野獣」という作品はもともと1740年にヴィルヌーブ夫人により書かれたものが最初だそうですが、その後派生したものの一つがディズニー版ということのようで、本作のストーリーは1991年版からはほとんど変わっていないようです。すでに完成されたファンタジーですから、下手に手を入れない方が間違いないでしょう。

それにしてもEmmaはとても綺麗になっていて、品もあるのでディズニープリンセスにぴったりではないでしょうか。ハリー・ポッターシリーズでHermioneを演じていた頃からその秀才キャラクターを演じるにふさわしい聡明さを感じさせていましたが、本作のBelleも本をよく読み自由な考え方を持つところなど共通点があります。観てしまった後ではEmma以外にBelleを演じるにふさわしい女優が他には思い浮かびませんが、他の人だったらまた違った雰囲気の映画になってしまっていたかもしれません。

作品自体も歌とファンタジーの世界を堪能できてとても楽しく観ることができましたが、ちょっとかわいそうなのは野獣役のDan Stevensですね。野獣の姿では微妙な表情の変化でしか顔を見ることができず、人間の姿に戻ると野獣のときとの迫力の違いで「え?」という弱々しさ、準主役で重要な役柄なのにかなり損な役回りなような気がします。Danの経歴からすると本作は大抜擢という感じのように見えますが、本人としてもこれが代表作とは言いにくいのではないでしょうかね。