Wreck-It Ralph - Ralph大人向け?

先日「ベイマックス」を観て3D CGアニメもやっぱりいいねと思って、そういえば何かの特典で「シュガー・ラッシュ」を入手したまま観ていなかったのを思い出しました。「ベイマックス」と同じくJohn Lasseter製作総指揮のWalt Disney Animation Studiosによる作品で、エンドロールではAKB48も使われたようですが、日本国内の評判はどうだったでしょうか。日本語吹き替え版のみで公開と言われると私は観る気を無くしてしまいますが、そういえば「エクリプス トワイライトサーガ」もそれでガッカリだったのを思い出しました。ともかく、私が持っている「シュガー・ラッシュ」は英語版なので吹き替えどころか日本語字幕もありませんので、余計な心配はせずに観てみました。

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物語の舞台はゲームセンターにあるコンピューターゲームの中、登場人物はゲームのキャラクターたちです。ゲームセンターが営業を終えた後はキャラクターたちも人格を持って自由に過ごしています。また、それぞれのゲームは電源コードを通り電源タップのGame Central Stationを介して繋がっていて、キャラクターたちは行き来することができます。そうしたゲームの世界の中で、1980年代に作られたという設定の”Fix-It Felix Jr.”というゲームの悪役であるWreck-It Ralphが、ゲーム内の他のキャラクターたちに認められたい、という思いから大きな騒動を巻き起こすというものです。

要するにトイ・ストーリーのゲーム版のようなものなのですが、楽しいのは実在のゲームのキャラクターたちも登場することです。「ストリートファイター」のザンギエフや「パックマン」のモンスター、グズタなどはセリフ付きで登場しますし、その他数多くのキャラクターたちがカメオ出演を果たしています。さすがに各種しがらみがあるのかストーリーの進行上意味を持つ主要な3つのゲームは架空のものですが、”Fix-It Felix Jr.”の他、”Sugar Rush”、”Hero’s Duty”のそれぞれ実際にあっても良さそうなものになっており、ストーリーで直接触れられない部分まで含めてしっかりとした設定が考えられているのだと思われます。
Wreck-It Ralph - Vanellope van Schweetz
他にも様々な分かる人には分かるネタが仕込まれていて、子供だけでなく大人が観ても楽しめるものになっているのでは、というよりむしろこれは大人向けなのではないかとも思ってしまいました。ストーリー上で大きな役割を果たすメントスガイザーなんていうのも最近の子供達はみんな知っているものなのでしょうか。知らなければ説明してもらわないとなんのことやらですよね。

「ゲームの中の世界の物語」と「ディズニー」、「コンピューターグラフィックス」というキーワードからは「トロン」が思い浮かびます。方向性は全く異なる二作ですが、ちょうど30年という時間によってCG技術がこうも進歩するものとはトロンの時にどれほどの人が予想したでしょうか。トロンの30年前というと1952年、映画もカラーとモノクロが混在している時代だったようですが、もちろんCGなんて影も形もなかったでしょう。そう考えると今から30年後の2044年にはいったいどんな技術が映画に応用されているのか、そもそも映画はどういう形で存在しているのかも全く想像できません。楽しみなことではありますが、30年後となると私も元気でいられるかどうかあやしいものです。