Transporter 3原点回帰?

シリーズ作品を途中まで観たら最後まで観たいと思うのは当然かと思いますが、「トランスポーター」シリーズを一緒に観ていた長男が最新作の「トランスポーター3」も観たいと言うので「学校や塾の宿題を終わらせてから」という条件を付けたところ、夜9時半頃になってから終わったと言うのでそれから一緒に観ることにしました。舞台をマイアミに移した2作目がちょっとアレな感じだったのでちょっと不安はあったのですが、3作目は再びヨーロッパに戻り、また新たな趣向も取り込んだことで幅が広がり、今度はまたなかなか良くなっていたのではないかと思います。

トランスポーター3 アンリミテッド [DVD]
監督:オリヴィエ・メガトン
角川映画 (2010/10/20)
ISBN/ASIN:B0043RSLJI

その新たな趣向というのは、主人公FrankやヒロインValentinaらの腕にはめられてしまったブレスレットです。このブレスレットには爆薬が仕込まれていて、車に装着された発振器から75ft離れてしまうと爆発して粉々になってしまうというものです。今回Frankは運び屋の無理やり仕事を押し付けられてしまうことになるのですが、その時条件の一つとして与えられてしまったのがValentinaの同乗でした。意味深な登場からも判るとおり、今回はこのValentinaが物語の鍵となってきます。

舞台は再びヨーロッパ、と冒頭にも書きましたが、今回は南仏のFrankの自宅からドイツ、ハンガリー、ルーマニア、ウクライナと西から東への大移動となります。距離にすると3000km程にもなってしまうようですが、起きている間はほとんど走り続けているにしても、Frankが眠っているシーンはなくどうしていたのかがちょっと気になります。まあ3000kmでも平均時速150km/hで走り続けることができれば20時間で着くことになるので、彼ほどのプロの運び屋になればそれくらいできてしまうものなのでしょうか。

道中では敵対勢力からの追跡と攻撃を受けることになり、200km/h今日での超高速カーチェイスを繰り広げるのですが、片側1車線の田舎道でのバトルはかなりの迫力があります。やはりこのシリーズ一番の魅力はカーチェイスですね。また街中の狭い路地でのチェイスもありますが、こちらも手に汗握るものとなっていて、見所の一つかと思います。

ということで、今回は前作でハリウッド寄りになってしまった路線から軌道修正して、もとのヨーロッパらしさを活かしているようで、私としてはより良いものになっているのではないかと思います。途中、非常識的な巨人が登場して少々苦しめられるところがありますが、これは007で言えばJawsのような感じでしょうか。Jawsほどの執拗さはなく、結局あっけなく倒れてはしまいますが… この他のシーンでも、シリーズ全体を通して007との類似性を感じるところが多々ありますが、やはりあのシリーズはアクション映画シリーズの一つの金字塔であるのでそれに似てしまうのは仕方のないことなのでしょうね。