島田紳助あんまり一緒にしたくはないのですが。

今週、二人の人物の引退が世間を大きく賑わせています。

まず一人目は元漫才師の司会者だった島田紳助氏。日本のマスメディアはもっぱらこの人ばかりのようですが、引退発表のあった晩のテレビではニュース速報が流され、報道番組ではトップニュースで扱われていました。どう考えてももっと重要なニュースがいくらでもあるのに、たかが一芸能人の引退がどうしてそんな大きく取り上げられなければならないのか甚だ疑問でしたが、その余波は未だに続いていて報道合戦はまだまだ収まりそうにありません。

引退の原因となったのは暴力団との付き合いがあることが明るみになったというもので、他の人に対する戒めとして潔く辞めることにしたというようなことを言っているようです。しかし本当に今回公表しただけのことなのかを疑問視する人も多く、要するに十分稼いで潮時というだけのことなのではないでしょうか。まあもともとヤンキー上がりの人ですから、そういう人達と付き合いがあったとしてもそれほど驚くようなことではないかなという感じです。

しかし私が問題に感じるのは、社会的制裁として引退すると言っているのに、「早く復帰して欲しい」というような声が芸能界の各所から上がっているように報じられていることです。彼を慕っている人なら復帰を望むというのは分からないではないのですが、「早く」というのは何事なのでしょうか。もともと復帰が前提の引退なんて、ただほとぼりが冷めるまでおとなしくしているというのと何ら変わりがないではないですか。そんなことでは芸能界の浄化なんていうものは果てしなく遠いでしょう。

ちなみに私にとって島田紳助という人は私と同じ名前であり、「ちなみに弟はリュウスケっていうんだけど」(事実)というネタに使うためだけの人でした。しかし、最近の若者は亡くなった松本竜助氏が相方だったということを知らないのでこのネタも通じなくなってきたところだったので、ちょうど良かったなんて思っていたりします。まあひどい話ですが。
Steve Jobs
さて、そしてもう一人はAppleのカリスマであるSteve Jobsで、CEOを退くというニュースです。まだ会長の座には留まり、新製品の開発にも関与し続けていくと発表されていますが、会社の実権はCOOだったTim Cookが新CEOとして握ることになります。

自分が起こした会社を一度は追い出されましたが、Steveが復帰してからのAppleの躍進を見て彼の力を疑う人はいないでしょう。しかしその力というのが何なのかはよく分かりません。iPodやiPhoneという製品が彼自身の発明というわけではないでしょうし、Apple製品のスタイリッシュなデザインも彼が手がけているわけではありません。しかし、Steveの製品へのこだわりぶりには様々な逸話がありますし、彼のOKがでなければ製品化はできないということのようですから、最終的には大きな影響を与えていることは間違いないのかもしれません。

Steveの引退発表を受けてApple株は一時大きく値を下げたようですが、彼の熱意や仕事ぶりは他の社員にも大きな影響を与えていると信じたいところです。今後数年経ってから発表されるApple製品がどうなっているのか、そもそもAppleという会社自体がどうなっているのかも不安がないわけではありませんが、私たちは黙って見守るしかないでしょう。