Social Security Cardこれがないと何も始まらない。

日本ではどういうものが当てはまるのかよくわかりませんが、アメリカで社会生活を送るためになくてはならないものというのがいくつかあります。銀行口座や運転免許というのは日本でも思い当たるものでしょうが、日本にはないアメリカ独特のものがSocial Security Number(SSN:社会保障番号)というものです。元々は社会保障のための国民の収入管理を目的として作られたものですが、現在では事実上の国民識別番号となっており、アメリカ国民とアメリカ国内で収入のあるほぼすべての人に与えられています。

日本でも何十年も前から「国民総背番号制」というものが議論されていますが、「マイナンバー」とかいうフニャフニャした名前になって2015年頃に利用が開始されようとしているようです。こんな外来語を使ってごまかしてしまうのではなくて、ちゃんとした日本語の名前をつけることはできないのでしょうかねえ。まあ外来語も日本語のうちですし、漢語も外来語ですからこだわっても仕方ないのかもしれませんが、「私の番号」では何のことだかさっぱりです。

さてそれはともかく、アメリカではこのSSNがないと家や車、プリペイドでない携帯電話を買うことも、自動車運転免許を取得することも、銀行口座を開設したりクレジットカードを作ることもままなりません。SSNを取得する前から対応してくれるサービスなどもありますが、それもSSNが取得でき次第連絡するということが前提のものがほとんどなのではないでしょうか。これがない状態では社会人として生活していくにはあまりに不便ですから、渡米してまず最初に行うべき手続きがこのSSNの申請です。

ということで、新しく同僚となったK君にSocial Security Officeに連れて行ってもらい、SSNの取得を申し込みました。事前にウェブサイトからダウンロードできるフォームSS-5のPDFフォームに必要事項を記入してからプリントアウトし、手書きで署名を入れて持参しましたが、これがあったことで非常にスムーズに手続きは進み、特に難しいことは何も聞かれず、10分もかからずに受理され終了したのではないでしょうか。しかし、実際に番号が付与され連絡されるのは4週間後ということで、結構な時間がかかってしまうものです。一体何にそんなに時間が必要なのかわかりませんが、とにかくできるだけ早く申請を済ませて時間的ロスを最小限に留める必要があることは間違いありません。

SSNが厄介なのは、こうして付与された番号を他人に知られないように管理し、かつ必要なときに書き出せるようにしておかなければならないということです。SSNはクレジットカードの信用管理にも使われてしまっているので、他人に悪用されて信用に傷が付けられるようなことがあると非常に困ったことになります。9桁の数字なので、電話番号と同じレベルのものではあるのですが、暗記の苦手な私にとってはちょっとした課題で、しばらくの間はどこかに暗号化してメモしておくしかないかな、と思っているところです。

とりあえずこうして、アメリカ生活の最初の一歩を踏み出すことができたのでした。