Niagara Fallsやっぱり一見の価値あり。

私たちが子供だった頃に比べて日本の祝祭日は随分増え、ハッピーマンデーなんていううわついた名前の制度もあって連休が多くなり、旅行などにも行きやすくなりました。しかし、これでようやく日本も欧米並みになった、なんて思っているのだとしたら大間違いです。実はアメリカの祝祭日はあまり多くありません。実際には祝祭日自体はそれなりにあるのですが、それが全て休日になるわけではないのです。その代わり、こちらの人は自主的に1,2週間の休暇を取って旅行に出かけたりするのですが、それを容認する社会になっているということですね。

さて先日、その数少ない休日が久しぶりにやって来ました。5月の最終月曜日に設定されたMemorial Day、日本語では戦没将兵追悼記念日というようですが、正直なところ我々日本人には無関係といって良い日ですので、いそいそと旅行に出かけてきました。行き先はカナダ、トロントナイアガラの滝です。

朝7時に家を出てから先日の出張でも通った橋を渡ってカナダに入り、最初に向かったのはトロント中心部から北に20kmほどのところにある鼎泰豊(Ding Tai Fung)という小籠包が美味しいという点心の店です。同僚のK君に教えてもらったので行ってみたのですが、台湾に本店があり各国に支店も出している鼎泰豐という有名店の支店…かと思いきや支店一覧を見てもトロントにはない、つまり同じ名前を騙った偽物ということのようです。小籠包は確かに美味しかったので構わない、と言ってしまいたいところですが、看板の自体までそっくり真似ているというのは良くないですよね。なお、この店があるモールは入居している店舗のほとんどが中国系で、客もほとんどアジア人というかなり変わった雰囲気のところで、駐車場も混雑していて空きを探すのが大変でしたが、その中でもひときわ盛況なように見えました。

満腹になって次に向かったのはトロントのシンボルであるCNタワーです。近くの地下駐車場に車を置いてタワーに向かいチケットを購入しましたが、この時「エレベーターに乗るまで1時間10分ほど待つが良いか」と聞かれてしまいました。そう言われてもせっかくここまで来て上に上がらないというのもないだろうと構わず購入してしまいましたが、正直なところこれは間違いでした。結局その後実際にエレベーターに乗るまでに並んだ時間はちょうど2時間、しかし2時間待ってようやく乗ったエレベーターで上った展望台にいたのはせいぜい30分程度です。ほとんど並ばずに登れたのであれば「いい眺めだった」で終わるのかもしれませんが、家族4人で90ドルも払った上に2時間待ってこの程度のものか、と悪態も付きたくなるものです。2007年までは世界一の高さを誇る自立式建築物だったといっても、今はすでに世界4位でしょうか。まあCNタワーに罪はありませんが…

その後はその名もNiagara Fallsというナイアガラの滝がある町に予約したホテルへ向かい、チェックイン後にホテルそばのプラネット・ハリウッドで夕食を摂ったのですが、時間が遅かったということもあってかなり閑散としていて寂れた温泉地を彷彿とさせる様子でした。注文前にクレジットカードのマシンも故障して使えないなどと言われた時には帰ろうかと思いましたが、やっぱりもう創業から20年ほど経ってしまっていますからね。すでに二度倒産しているというのも頷けます。
Maid of the Mist
さて、そんな散々だった1日目から気を取り直して2日目はいよいよ本命のナイアガラの滝へ向かいました。まずはホテルのチェックアウトを済ませてから歩いて「霧の乙女号」に乗りに行きました。カナダ滝の滝壺近くまで連れて行ってくれるこの観光船はカナダ側とアメリカ側から交互に出ているのですが、私たちは若干料金の高いカナダ側から乗りました。アメリカ側からの方が比較的空いているという話もあったのですが、朝一番の便を狙って行ったのでその後の便に比べるとだいぶ空いていたようです。それでも2階デッキには隙間がなかったので、誰もいない1階デッキへ回ったのですが、これは大正解でした。船の最先端、舳先の部分を広々と占有して楽しむことができました。

この船の楽しさというのは実にバカバカしいことですが、本当にビショビショになるということです。乗船前にポンチョがもらえるのでこれを着るのですが、滝に近づくとバケツをひっくり返されたかのように水が降ってくるのでポンチョは絶対に必要です。岸の上の方から見ていると本当に「(いい意味で)馬鹿なんじゃないか」と言いたくなるようなアトラクションですが、これはぜひナイアガラに行ったら乗ってみるべきです。もちろん、岸から見る滝も雄大で流れ落ちる水ともうもうと上がる水煙にも見入ってしまいますが、霧の乙女号には乗船料分の価値はあると思います。ぜひ1階の舳先で堪能してください。

ということで2日目の残りは滝の近くでのんびりしてから帰路についたわけですが、ナイアガラは今後も親戚知人がミシガンを訪れる度に連れて行くことになるでしょうね。次回はJourney Behind the Fallsも楽しんでみたいと思いますし、アメリカ側からの眺めも見てみたいので、まだ飽きることは無さそうです。