World of Coca-ColaPepsiには無いのかな?

ロボコップのおかげでデトロイトにはすっかり全米一の犯罪都市のイメージの付いてしまいましたが、実際Forbesのアメリカの危険な都市ランキングでも5年連続1位という汚名を頂いてしまっているのでなかなか否定のしようがありません。特に去年は市の財政が破綻したというニュースもあり、予算不足から警察官を増やすこともできず、一向に出口は見えない状況です。私達デトロイト近郊に住む日本人はもちろん、地元の白人たちでさえ、本当に必要なときでなければデトロイトに足を踏み入れることはありません。

しかしこのランキング、10位以内に入ってしまっているような都市は日本人の基準からすれば、少なくとも一部はかなり治安の悪い地域であることは間違いありません。今回の旅行の帰り道にはランキング9位のジョージア州アトランタに立ち寄る予定にしていて、ダウンタウンのレストランで昼食を摂ろうと思っていたのですが、路上のパーキングスペースに停めたところで物乞いに小銭をせびられ、なんとか追い払ったものの気分が悪いので食事は諦めて立ち去る、ということがありました。確かに年末で人通りが少なかったので、そんなところを選んでしまったのは失敗でした。その後食事をしたところは高所得層が集まっていそうなまったく違う雰囲気だったので、やはり地域により大きな差があるようです。
World of Coca-Cola
ところで、なぜアトランタに寄ることにしたのかというと、ここにはThe Coca-Cola Companyの本社があり、その近くにWorld of Coca-Colaという展示施設があってなかなか楽しい、ということを聞いていたためです。なお、今回はあまり時間がなかったこともあって行っていませんが、隣接するジョージア水族館も見応えのあるものだそうで、また同じくアトランタにあるCNN本社のスタジオツアーも面白いという話です。

さて、World of Coca-Colaに着いてみてびっくりしたのは入口前の大行列でした。入場券を買うにも窓口に列ができているものの、これは券売機を使えばすぐに買えるので問題はないのですが、その後入口までの間に数百人の人が列を作っていました。実際の待ち時間は30分弱といったところでしたが、これはまず「アンバサダー」からの説明を聞いて、その後プロモーション動画を見てから中に入る形になっているため、その座席数と上映時間によって制限がかかってしまっているのでした。その説明と動画はアンバサダーが熱心に語るほどには大したものではないのが少々残念な感じですが。
お中元にコカ・コーラをどうぞ
この後は最後にショップを通って出るという以外は各自の好きな順序で見て回ることができます。展示スペースは1階と2階にありますが、1階では各国のポスターなどを見ながらのコカ・コーラの歴史、コーラのビン詰め工程、そして秘密の調合の金庫、といったものがあります。ポスター等は日本の昭和のポスターもいろいろあって、当時はちょっとした贅沢品だったという証拠のようなものを見ることができます。ビン詰め工程の方は実際の工場よりもかなり低速で動かしているのですが、あのスピードがないと凄さが感じられず今ひとつです。

なんともバカバカしいのが金庫なのですが、非常にもったいぶった演出があって金がかかっているのではないかと思うのですが、実際に見ることができるのはもちろん金庫の外側のみです。今でも数人の幹部だけしか知らないというコカ・コーラ原液の配合が記されたものが格納されているということなのですが、コカ・コーラ社員以外にとっては結構どうでもいい話…などと言ってしまうのは白け過ぎでしょうか。なお、金庫の写真は自由に撮ることができますが、一緒に写ろうと思って近づきすぎると大仰な警告音とメッセージを聞くことになります。
秘密の調合がしまわれた金庫
2階には秘密の配合に絡んだ4-D映画の上映、ポップカルチャーとコカ・コーラ、過去のCMの上映、といった展示がありますが、ここではなんといっても世界各国のコカ・コーラ製品の試飲というのが重要でしょう。世界を5つほどの地域に分けて、それぞれ8種類ほどの製品が用意されており、プラスチックのカップを持って各自好きなだけ試飲することができるようになっています。私もお腹いっぱいになるまで色々試してみましたが、日本でも受けるのではないかと思うものもあれば、とても日本人の口には合いそうにないものもあり、なかなか楽しむことができました。

最後に各自1ビンづつお土産にコーラをもらって、コカ・コーラグッズが取り揃えられたショップから出口に向かうことになるのですが、このショップの充実度は相当なものです。ここにあるものだけで生活できてしまうのではないかとさえ思えるほど様々なものが作られていますが、それだけ世界中で高い認知度を持つブランドであり、マクドナルドと並んでアメリカの象徴となっているということでしょう。実際、年末という時期のためもあるかもしれませんが、入場者は外国人の割合がかなり高いように見え、それも幅広い国々から来ているようだったのが印象的でした。やはりさすが世界ブランドランキング3位ということでしょうが、こうなると1位のAppleや2位のGoogleも見に行ってみたくなりますね。まあこのような施設はないはずですが。