Algonquin Provincial Park歩きました。

今回のカナダへの旅の主目的はこの2日目のアルゴンキン州立公園で紅葉を見ることでした。ここの公式ウェブサイトではFall Colour Reportとして現時点での紅葉の進み具合を日々報告してくれていて、訪れた先週末はちょうどピークで、変色90%、落葉10%という絶好の状態とのことでした。

トロントから車で3時間ほど北上したところにこの公園はありますが、高速道路を北へ進んでいくと次第に沿道の木々が色づき始め、途中何箇所もきれいな所がありました。しかし公園内はもっといいはず、でも一体どれほどのものなのだろう、と期待と不安を抱きつつ、徐々に興奮が高まっていくのを感じていました。
Algonquin Provincial Park
公園内で食事ができるところは非常に限られているので、手前の町で早めの昼食を済ませ、満を持して公園の方へ向かうといきなり大渋滞が待ち構えていました。やはり紅葉のピークまっただ中の日曜日ということで仕方のない事なのですが、森の中の一本道なので迂回のしようもないところで、どこまで続くのかもわからない渋滞はなかなか辛いものです。結局この渋滞は途中にある橋の架け替え工事で交互通行になっていたために発生したものらしく、それを過ぎるとまたしばらくスムーズに流れましたが、公園の入口手前からはまたちょっとした渋滞になり、いよいよこの日の混雑を覚悟することになりました。

入口にはゲートのようなものはないのですが、許可証を提示せずに駐車していると取り締まられるということなので、車1台あたり1日$16という許可証を購入し、園内へと進みます。ここではトレイルを巡りながら紅葉を楽しむというのが今回の目的になりますが、まず最初のトレイルHardwood Lookout Trailへと向かいました。
Algonquin Provincial Park - Lookout
ここには1kmに満たない手軽なものから10kmを超える本格的なものまで20本のトレイルがあるとのことですが、このHardwood Lookout Trailは800mという短いものながら湖を眺めることができ、さらに西側の入口に近いということで人気が高いようです。各トレイルの入口には駐車場がありますが、ここに差し掛かると道路の両側にも駐車車両が溢れていました。しかしうまい具合に駐車場内に空きを見つけて停めることができたのは幸いです。

トレイルに一歩足を踏み入れたところから両側を美しい秋の自然に囲まれる感じで、私は一生懸命歩くよりも写真を撮りながらのんびりと散策していたいという気分になりました。そういうわけで他の3人から常に遅れながら進むことになってしまいましたが、今回は一人や家族と来ているわけではないのであまり自分のペースだけで行動するわけに行かないというのも仕方ありません。しかしそれでも私はこのトレイル1本だけでかなり満足出来ました。

Lookoutという名前のとおり、途中には湖を眺められる展望スポットがあるのですが、湖の向こうの木々が赤く色づいていたり、これもなかなか美しく気持ちのよい眺望でした。前の週はかなり冷え込んでいたようなのですが、この日は非常に天気が良く、汗ばむくらい暖かかったのも幸運でした。
Algonquin Provincial Park
しかしどうしても気になってしまったのは中国人勢です。かなり人数が多いのは仕方のない事なのですが、彼らはどうしてああも大声でしゃべり続けるのでしょうか。まあ日本のおばちゃんたちも似たようなもので、数が多いだけに目立ってしまうだけのことかもしれませんが、意味がわからないだけにどうにも耳障りで興醒めです。

この後、園内を東へ進みながらLookout TrailビジターセンターBeaver Pond Trailの順で見ていきましたが、東へ進むにつれて紅葉が薄れていき、また中国人の数も減っていくという感じになっていました。Beaver Pondにはビーバーの巣があるということで行ってみたのですが、既に5時頃になっていたということもあってか人が少なく、あまり紅葉していないとはいえ静かな中を歩くことができてこれもまた気持ちの良いものでした。ただ、ビーバーの巣は確かにいくつか見ることができましたが、実際のビーバーの姿を見ることができなかったのはちょっと残念です。またT君はムースを見たいと切望していたのですが、それには明け方か日暮れ過ぎに来る必要があるようで、それも残念ながら叶いませんでした。

全体的には、紅葉といっても赤くなっているものは少なく、大部分が黄色というのが期待していたものは違いましたが、それよりも森の中を歩いて気持ちのいい空気を吸うことができたということで大変満足することができました。この公園は静岡県や宮崎県とほぼ同じ面積を持つというとてつもなく広大なもので、車で入って行くことができるのはほんの一部分のみなので、本当にこの公園を楽しむには何日もかけてキャンプをしながら歩いていかなければならないのでしょう。今の私達にはこれで十分楽しめましたが、身近にこんな自然があるカナダの人々が本当に羨ましいです。 (続く)