私もここ何回かのボーナスの度に買いたいと思いながら手に入れることができていないのがHDDレコーダーなのですが、最近は随分値段もこなれてきて、一般にもかなり普及してきているのではないでしょうか。既にVHSのビデオデッキなんて「今更」という感じかもしれませんが、我が家では未だ現役です。さすがにレンタルしてきて観るのは完全にDVDが取って換わりましたが、テレビ番組の録画には何度も上書き録画してノイズだらけのテープを我慢して使っています。HDDレコーダのいいところは、何度録画しても画質が劣化しないことと、テープの入れ替えの煩わしさがないというところですね。いいということはわかっているのですが、先立つものが…

ビデオテープの時も大抵そうだったのではないかと思いますが、録画した番組を観る時は普通CMをスキップしてしまいますよね。我が家のビデオデッキのリモコンにも「CMスキップ」というボタンがあり、一回押すごとに15秒分早送りしてくれますが、この先何秒間CMが続くのかということは見慣れた番組でないと前もってはわからないものなので、押し足りずにあとで追加で押したり、押し過ぎてあわてて巻戻したりということが日常茶飯事です。普通CMはステレオなので、本編がモノラルの場合にはその変化から自動的にスキップしてくれたりする「高級機」はアナログでもあるようですが、HDDレコーダの場合にはその多くが自動的にスキップできるような機能を搭載しているのではないでしょうか。

そうして人々がCMを見ないことによって広告費が無駄になった金額を試算したところ、「HDDレコーダーによるCMスキップで“損失”540億円」という結果になったそうです。広告主にとっての「損失」であるということは、例えばそれが市販の商品のものであるとすれば市場価格に転嫁されているわけで、消費者が無駄な金をテレビ局や広告代理店に支払っているということになります。HDDレコーダのせいで、というような論調になっているメディアもあるかもしれませんが、CMを見なくなったからといって誰かが損をしているというわけでもないので、CMに使っている宣伝費自体が無駄な支出であるということになってしまうのではないでしょうか。多くの人がスキップしてしまうということは、視聴者にとっては「見たくもないものを見せられている」と感じているということの現れでしょう。

インターネットの普及によって人々が自由に情報を得られるようになった今、CMを流すことによって企業から広告費を得て、それを元に番組を制作して放送するという現在の民放のビジネスモデル自体が通用しなくなってきているということかもしれません。インターネット以前はテレビ、ラジオ、新聞、雑誌というのは一般向けのメディアとして絶大な力を持っていて、ほとんどの人がこれらのメディアからの情報を頼りにしていたかと思いますが、インターネットだけではなく携帯電話など別の興味と資金の投入先が生まれたということもあり、特に若い人の間ではテレビを見ない、ラジオを聴かない、新聞を取らない、雑誌を買わない、という人が増えてきています。私自身もテレビ放送よりもDVDを見ている時間の方が圧倒的に長くなっています。

こういった中で、基本的に無料で見ることができる民放テレビというのは今後も必要なものなのでしょうか。スカパーなどのように見たい人だけが金を払って契約して見るという形でも良いのではないかと思います。そうなると強制的に徴収されるNHKの受信料というは一体何なのかという気持ちがますます強くなってしまいますが…

CMについて言えば、昔から本当に良い物は口コミで伝わったものですが、今は誰かがblogに書いたりすればあっという間に広がってしまいますし、テレビCMでどんなに美化して売り込もうとしたところでネット掲示板で叩かれたりすればおしまいかもしれません。これまでは新製品を周知するためにはテレビCMが必要だったかもしれませんが、今なら自社ホームページにプレスリリースを掲載しておけば、勝手にあちこちからリンクが貼られて宣伝してもらえます。もちろん、それなりに話題性のあるものである必要はありますし、製品ジャンルにもよるでしょうが、私自身はテレビCMよりもそういう形で知ることの方が圧倒的に多くなっています。

ホリエモンは「今のような報道は必要なくなる」と言いパブリックジャーナリズムを展開していますが、そのうち既存メディアの存在自体の必要性が問われるようになってしまうかも、というのは言いすぎでしょうか?でも、あと数十年もしたら今の形のテレビや新聞は存在しないのではないかと思うと、間違いでもないような気がします。