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Justice League

二番煎じ感は否めない。

通常1800円の映画を1100円と格安で観ることができるという、映画ファンには嬉しい毎月1日の映画の日ですが、実際には曜日の都合が合わなかったり、その時に観たい作品がなかったりで私が利用できるのは年に数えるほどしかありません。今年も先月までに利用したかどうか怪しいくらいですが、今月はちょうど金曜日だったのと、観てみようと思っていて先週末は時間が合わなかった「ジャスティス・リーグ」がいい時間にあったので、久しぶりに利用してみました。しかし、1日が土日に重なると大変込み合ってしまう映画館も平日では普段よりちょっと多いかもしれないという程度で、映画産業の行く末が心配になってしまいました。

さて、このJustice LeagueというのはMarvelで言うところのAvengersのDC Comics版で、Superman、Batman、Wonder Womanを中心に、Aquaman、The Flash、Cyborgといったスーパーヒーローが集結したものです。今回の作品で登場するのはこの6人までですが、コミックの方ではGreen LanternやSHAZAM!その他、日本では一般に馴染みのないヒーローたちも加わっているようです。まあ、Marvelと比べてもDC Comicsの方が日本ではマイナーですし、そもそもDC自体があまり知られていないので仕方ありませんね。

本作は昨年春に公開された「バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生」の続編にあたり、世界を守るために自らの命を犠牲にしたSuperman亡き後の、失意に覆われた世界が舞台です。大いなる脅威に立ち向かうため、BatmanことBruce Wayneが他のヒーロたちを探し出して同盟を呼びかけ、Justice League (正義の同盟)を結成するというものです。

DC Comicsの各作品はコミック、映画ともダークなところがMarvelとは違い、大人向けな感じがしていましたが、本作ではコミカルなシーンもだいぶ取り入れられて軽くなっているように思います。それが良いか悪いかは人によって評価の異なるところでしょうが、私はDark Knight 3部作の暗さが好きだったのでちょっと残念な感じはします。ちなみに監督は「バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生」の他、「スーサイド・スクワッド」、「ワンダーウーマン」も手掛けたZack Snyderで、これらの作品はみな良かったのですが、彼には「エンジェル ウォーズ」という「前科」があるので要注意かもしれません。まあ私自身は「エンジェル ウォーズ」は大好きなのですが。

ということで私の印象で点数をつけるとすれば100点満点で70点位だったのですが、Bruce Wayneの”I’m rich.”のセリフは面白かったです。なお、Bruceはかなりの大富豪として描かれていますが、彼の資産は70億ほどとされているようなので、Forbesの実際の世界長者番付では100位以内にも入れず、ちょうど200位あたりのSilvio Berlusconi元イタリア首相と同程度のようです。その程度の資産で正義の味方になれるのであれば、200人のうちの誰かは本当にやってみてくれても良さそうなものですが、みな命は惜しいですよね。

Suicide Squad

批評家の評価なんて気にしない。

先週末から日本でも公開された映画「スーサイド・スクワッド」ですが、批評家の評価から算出されたTomatometerの値が低すぎると怒ったファンが「Rotten Tomatoesを閉鎖させよう」という署名運動をchange.orgで始めたということでもニュースになりましたが、Tomatometerの値は26%ということで確かに(アメリカの)批評家の受けは良くなかったようです。しかし、観客による評価Audience Scoreの方は67%となっており、ちょうど2/3ほどの人は悪く無いと思ったようなので、そんなに酷いものでもないようです。そんな状況ではありましたが、予告を見る限りは非常に面白そうなので楽しみにしていましたし、観てみないことには良いも悪いも言えませんので、実際には私はまったく迷わずに公開初日の昨日観てきました。ちなみに上記の署名運動は目標の25000人には届かず失敗に終わったようです。

この作品はDC Comicsのスーパーヒーロー映画が共有する世界の映画作品群「DCエクステンデッド・ユニバース」の一作品で、Marvelでいうところの「マーベル・シネマティック・ユニバース」の作品に相当するものです。特に本作は各作品で悪役として登場しているキャラクターらを集めて「目には目を」的にテロ対策に使うということになっており、具体的には「バットマン」に登場するDeadshot、Harley Quinnなどが主役として登場し、Joker、Batmanはチョイ役となっています。

DC Comicsの各作品は独特のダークさがありますが、この作品でもそれは同様です。特にJokerの狂気というのはMarvelでは考えられないものでしょう。Marvelの各作品、特にディズニーのものは基本的に大人から子供まで楽しめるようになっているのではないかと思いますが、最近のDC Comicsの各作品はかなり大人向けの作りになっているような気がします。私はネアカに楽しめるMarvelも好きですが、どうもDCの影のある感じのほうが好みのようです。

しかし、この作品ではHarley Quinに惹かれてしまいました。Harley QuinnことHarleen Quinzelを演じているのはMargot Robbieですが、元気いっぱいでありながら狂っている、Jokerの恋人を非常にセクシーかつ可愛らしく演じています。しかもそれでいて、ふと見せる心の影の部分もあります。

Suicide Squadの中のもう一人、Katanaで出演している日系アメリカ人の福原かれんにも注目です。女優としてはこの作品がデビュー作らしく、いきなりハリウッド作品とは大抜擢です。日本人の役なので台詞がほとんど日本語で、他の俳優との掛け合いもあまりないので未知数ですが、この作品では出番もそれなりにあります。両親は日本人ながらアメリカで生まれ育ったアメリカ人なので英語にはまったく問題ないはずで、今後活躍できるといいですね。しかし彼女に限らず、ハリウッド映画では日本語のセリフが妙にたどたどしくなってしまうのはそう指導されるからなのでしょうか。めざましテレビのインタビューでは普通にしゃべっていたので日本語も問題ないはずなのですが、作品中のセリフではかなり不自然な発音になっています。

ということで、私は間違いなくBlu-rayを購入すると思うのですが、この作品はサウンドトラックもかなり良く、アルバムはアメリカのBillboard 200で初登場1位を記録し、4週目の現在でも6位となっています。私はプレオーダーで購入して聴いていますが、twenty one pilotsのHeathensが特にお気に入りで、アルバムをかなり聴き込んでから映画を観たので、「この曲はここでかかるのか」というのも一つの楽しみになりました。もちろん映画そのものの続編も非常に楽しみですが、次回作のサウンドトラックにも期待してしまいます。

SUICIDE SQUAD

¥ 983

(2016-09-11現在)

The Dark Knight Rises

もっともっと続きが観たい。

2012年7月20日、アメリカ・コロラド州オーロラで行われた「ダークナイト・ライジング」のプレミア上映の際、ガスマスクに防弾ベスト、ヘルメットをかぶって拳銃やライフルで武装した犯人James Holmesが催涙ガスを噴射させた上で銃を乱射し、12人が死亡、58人が負傷するという大変痛ましい銃撃事件が起こりました。こういう事件が起こるたびにアメリカの銃規制問題が議論されることになりますが、全米ライフル協会の強力なロビー活動により立ち消えになってしまい一向に前へ進むことができません。今回の犯行に使用された銃器も全て合法的に入手されたものだということですが、スーパーマーケットでライフルや実弾が購入できるという状況はやはりどう考えても異常です。

ということで、こんな事件のお陰で模倣犯を防ぐために各地のプレミア上映会なども中止されてしまい散々なケチの着いたこの映画ですが、前作「ダークナイト」同様非常に前評判の高い作品だったので、ぜひとも観たいと思っていました。しかしシリアスな内容だけに字幕なしで理解できるかどうか…と思っていたところでタイミングよく日本出張が入り、しかも休日を挟むことができたのですかさず観に行ってみることにしました。

Christopher Nolan監督によるバットマンシリーズ3部作の完結編ということですが、前作同様タイトルに「バットマン」と入れていないところがまずいいですね。しかし邦題はいただけません。原題は”The Dark Knight Rises”と現在形なのに、勝手に現在進行形にしてしまっているため、ニュアンスが変わってしまっているのです。その違いを言葉で伝えるのは難しいのですが、なんとも言えない違和感があります。

それはともかく、作品の方は非常に素晴らしいです。スーパーヒーローであるBatmanが実に人間臭く、決して無敵の存在でないというところが良いです。一方の敵役であるBaneが何故か非常に強く、またマスクのデザインが異様さを掻き立てています。その行動も狂気的ですし、完全に忠誠を尽くす配下の者どもも異様です。こんな敵に立ち向かっていってBatmanに勝ち目はあるのか…という悲壮感こそがこの作品全体を支配しているもののような気がします。

バットマンのお楽しみの一つといえば登場する各種メカですが、今回はBatmobile, Batpodに加えてThe Batという名の空を飛ぶ乗り物が登場しました。BatmobileやBatpodと共通のテイストを持つデザインでまたかっこよく、モデルを手元において眺めたくなるようなメカメカしさがとても良い感じです。しかしあの機動性からしてそんなに厚い装甲を持っているとはとても思えないので、そのあたりがちょっと非現実的なところではありますね。まああくまでファンタジーですからこれで良いのです。

もう一つ、この作品ではCatwomanとされるSelina Kyleが登場しますが、それを演じるAnne Hathawayがまた素晴らしいです。漆黒のレザースーツに身を包んだ姿は実にセクシーですが、いかにも強そう、ではない所が良いです。どうしてもアクション映画で見慣れた女優さんでは活躍がイメージできてしまいますが、そうではないのがいいです。「プラダを着た悪魔」で見た彼女がCatwomanですからね…といっても伝わりませんね。

ということで、最後は非常に悲しい結末を迎えるわけですが、これが三部作で終わってしまうというのは非常に残念な気がします。Batmanシリーズでなくてもこのような重厚な作品はNolan監督ならまた作ってくれるかもしれません。しかしこの世界観はちょっと独特ですよね… でも完結したといっておきながらまた続きが出てくるというのもなんだか潔くありませんし、もっと観たいというくらいでやめておくのが良いのかもしれません。