World Trade Center今日は私がいつも映画を観るときはココと決めているワーナーマイカルシネマズ15周年50劇場記念キャンペーンのスペシャルサンクスデイということで、全ての映画の鑑賞が1000円になり、かつ当日鑑賞の全ての人に特別割引優待券とポップコーン券2枚ずつの15周年記念クーポンセットがプレゼントされるということで、家族は妻の実家に遊びに行かせてまた一人でいそいそと見に行ってきてしまいました。大抵私が映画を観るのは1200円で観られるレイトショーになるので、同じく1200円になるという割引券の方はほとんど意味がないのですが、ポップコーンの方は最近欠かせなくなってきてしまっているのでちょっとありがたかったりします。まあ、それ以上に今日映画を見に行くための口実が出来たということの方が嬉しいような気もするのですが…

ということで今日観てきたのは「ワールド・トレード・センター」です。いわゆる9.11、2001年9月11日に起こったアメリカ同時多発テロ事件を題材にした映画ですが、社会派といわれるOliver Stone監督の作品ということであの事件をどういう切り口で描いてくれるのかというのも見所の一つかと思いますが、私の印象としては「アレ?」というような感じのものになってしまいました。

事件からはすでに5年が経過し、過去のものになったかと思われがちなのかもしれませんが、事件の規模から考えるとわずか5年ではとても消化できるようなものではありませんし、この事件を発端に始まったアメリカの「テロとの戦い」は未だ継続中であり、アメリカの人々にとっては現在もなお進行中の出来事なのではないでしょうか。そういう中で作られたこの作品では事件そのものについてはあまり触れることはなく、事件に巻き込まれた人々の極めて個人的な物語が主題となっています。社会派監督の作品として観ると肩すかしを食らってしまうというのはこのためです。

映像としては事件の現場を現実の映像かと見まがうばかりのリアリティで臨場感たっぷりに描いており、かなりのコストがかかっていることが分かります。監督はNew Yorkでの撮影を切望したもののNew York市当局の許可が下りず、やむなく主にSan Franciscoで撮影することになってしまったとのことですが、New Yorkに行ったことのない私が見ると当然ながら全く区別がつきません。炎上、崩落するWTCビルの映像は現実の報道番組のものと今回撮影されたものとが織り交ぜられているはずですが、全く違和感がなく鳥肌が立つほどのリアリティです。

とはいえWTCの事件についてはこの作品の中では舞台でしかなく、主題として描かれているのは生き埋めになった二人とその妻らとの間の夫婦愛・家族愛です。事件については何かの検証や政治的な主張が行われたりすることは一切なく、事実に基づいて極めて淡々と冷静に描かれているのみです。あくまでドキュメンタリーではなく愛のドラマなのです。

この映画を観ていて私が感じたのは「自分勝手な私はこんなに妻に思ってもらえるようないい夫ではないな」という反省のような気持ちです。今から急に改めるというのは難しいと思いますが、この映画を思い出してごくわずかずつでも心がけを持って妻に接することができれば、いつかはいい夫になれるかもしれません。そういう思いにさせてくれたということは、それだけでも価値のある映画だったと言えるのかもしれませんね。この気持ちはいつまで続くものか分かりませんが…

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