Coca-Cola Zeroアメリカ人が飲むコーラの量は本当に異常…

私が子供の頃は「コーラを飲むと骨が溶ける」というまことしやかな都市伝説があり、コーラというのは良くない飲み物だと刷り込まれました。魚の骨をコーラに一晩漬けておいたら溶けて無くなった、というのがその根拠とされていたのですが、実際に誰がそういう実験をやったのかも知らされませんでしたし、酸性の液体にカルシウムが溶けるのは当然のことであるので、これ自体は単なる脅しに過ぎないようです。とはいえ、砂糖がたっぷり入った炭酸飲料が身体に良いものでないというのは事実でしょうし、それを子供に飲ませたくないという親の気持ちも今なら理解できます。

不思議なことに子供の時はあれだけ飲みたいと思っていたはずのコーラも大人になるとあまり進んで飲みたがらなくなってしまうもので、私もここ10年以上は他の選択肢があればあえてコーラを選ぶということがほとんどありませんでした。Coke Liteがあった頃はサッパリしていて好きだったのですが、オリジナルのCokeはちょっと甘すぎますし、Diet Coke改めNo Calorie Cokeは人工甘味料の後味が苦手な私には受け付けられないので、ということもあったのですが、そういう人は他にはいないのでしょうか。

しかし今年になって、

本当の味、なのにシャープな糖分ゼロ。

というよくわからない売り文句で登場したのがCoca-Cola Zeroという新製品でした。「本当の味」というのも意味不明なら、同じく糖分ゼロのNo Calorie Cokeとの違いもはっきりしませんが、一体どういう棲み分けを狙っているのでしょうか。Zeroが「本当の味」であるというならNo Calorieは「本当の味」ではないということになってしまいますが、確かにNo Calorieはオリジナルに比べて若干味が薄いような気はしていました。

とまあそんなことを考えているだけではわかりませんし、黒基調のシャープなデザインも気になりましたので、とりあえず試しに飲んでみることにしました。この製品もカロリー・ゼロとはいえ甘くないわけではないので、アスパルテーム・Lーフェニルアラニン化合物アセスルファムKスクラロースという人工甘味料が使われているわけですが、アスパルテームの嫌な後味が上手く押さえられていて私もほとんど気になりませんでした。コーラとしての味自体はオリジナルとほとんど変わらず、しかし砂糖の甘ったるさがなく飲み口がスッキリしているので、ターゲットとしているのは20~30代の男性ということですが、それ以外の人も含め多くの人が受け入れることができるのではないでしょうか。

ちなみに日本でコーラといえば何といってもCoca-Colaが圧倒的な地位を保っていますが、実はこのZeroは日本のサントリーが主体となって開発したというPepsi Nexの二番煎じの雰囲気が濃厚なのですよね。同じコーラとはいっても微妙に味が違うので、Pepsiが好きかCokeが好きかというのは人それぞれなのだと思いますが、ZeroとNexの基本的なコンセプトは同じですし、飲んだ印象もCokeとPepsiの違いがあるだけでほとんど変わりません。私はどちらかといえばPepsiの方が好きだったのですが、現在行われている「Coke + iTunes ミュージックダウンロード」のキャンペーンひとつとってもCoca-Colaの広告戦略の方が上ですし、イメージ戦略も圧倒的に上手です。Nexの販売も好調であるとはいっても日本のみであるのに対してZeroは世界中で展開されていますので、Nexの方が先だということを知っている人は少ないということになっています。この辺りも戦略上の勝負がついてしまっていると言えるのではないでしょうか。嗜好飲料とはいっても味が良いだけではビジネスとしては勝てないという厳しい現実ですね。世界的に見れば両社はいい勝負をしているのですが、日本ではこれだけ明らかな差がついてしまっているというのはどういうわけなのでしょうか>