本当の安心は金で買えますか?
先日、オンラインショッピングモール最大手の楽天市場が「楽天あんしんショッピングサービス」なるものを開始すると発表しました。このサービスは
ユーザが支払い済みの商品が未着にも関わらず「楽天市場」出店店舗との連絡が困難になったなどの状況が発生した場合に、商品代金を楽天が補償するという制度
なのだそうですが、
補償率は商品代金の100%、補償額上限は50万円、補償回数は年1回
という条件付きのものになっています。これは架空の取引で補償を受けようとするような詐欺的行為を防止するためのものと思われ、内容的にもまあ妥当なところではないでしょうか。
しかし、これははたして新しい「サービス」なのでしょうか。
私はこれまでインターネットで買い物をする場合、Amazonの次に楽天市場の店舗を選んできました。その理由は、買い物をするたびに楽天スーパーポイントが貯まり、また別の店舗で使えるからということもありますが、それ以前に「楽天の審査を通っているのだからある一定の信用は期待できる」ということがあったためです。そして、もしもの場合は楽天の責任で何らかの対応があるのではないかという期待があったわけなのですが、今回の「サービス」はこの曖昧な「期待」を具体的に明文化し、制限をはっきりさせたものに過ぎないのではないでしょうか。
もちろんそれ自体は必要なことだとは思います。ただ、これまでなかった新しいことを始めたような、ユーザにとってこれまでよりも良くなったような表現がどうかな、と思うだけなのですが、ちょっと意地が悪すぎるでしょうか。これまでも該当するような事件があった場合に楽天が弁済したことがあったので、今回の発表は実は制限を設けているだけなのに逆にイメージアップを狙っているように見えてしまいました。個人的に三木谷氏が好きになれないというのが、そう感じてしまう根本的な原因なのだとは思いますが…
まあ、そうは言っても普通に買い物をする際には不利益になることはまずないでしょうし、これまでよりも店舗の審査と管理を強化するということなので、安心感が向上するということは嘘ではないでしょう。私の場合はこれまで通り、まずAmazonで探し、Amazonにないか割高なときに楽天、という優先順位は変わらないかとは思いますが、これまでネット通販が不安で利用できなかったというような人にとっては利用の決め手になるかもしれませんね。やはり相手の顔の見えない通信販売では信用が第一ですからね。