Windows XP目新しいものは何もありませんが。

先日公開され昨日から自動アップデートも開始されたらしいWindows Vista SP1に続き、Windows XP SP3の一般公開が今週開始されました。変更内容はリリースノートにある通りですが、目新しいものは特に何もなく、これまでの修正プログラムを1つにまとめてあることと、若干のセキュリティの向上が図られているのみです。

基本的にサービスパックの番号が奇数のものは不具合修正など安定版で、偶数のものは新機能の追加となっているとも言われているようですが、既にXPは過去の製品でありVistaの相対的な価値を下げるわけにも行かないので、今後さらにサービスパックがあったとしても新しい機能というのは見込めないでしょう。ユーザからしてみれば購入後の機能向上というのは非常に嬉しいものですけどね。

ただ、今回のSP3についてはMicrosoftの発表にはない「SP3を入れる前よりもパフォーマンスが10%アップする」というような情報もありました。またそれとは別に、SP3移行後はIE7からIE6へのダウングレードができなくなるという注意点や、PCの構成によってはSP3インストール後にBSoDになってしまい、人によってはOSごと再構築する羽目になったという怖い情報もあってちょっと躊躇してしまいましたが、新しもの好きな私はやはり我慢できずアップデートを試みてしまいました。

一般ユーザはWindows Updateでのアップデートを推奨されているのですが、万一再構築する羽目になったときのことを考えてISOイメージをダウンロードしてCD-ROMを作成し、これを使用してインストールすることにしました。しかし一つ問題があり、インストールするためにはCドライブに600MBの空きが必要ということで、私のPCには300MB程度の空きしかなく常々苦労していたのでした。そこで何とか空きを増やさなければ、とインストールしたものの使っていなかったアプリケーションなどを次々削除していきましたが、それでも500MB程度にしかならず、何が一体…と思ってよくよく調べるとJavaのバージョン違いのものが8つもインストールされていることがわかりました。Javaは自動アップデートしてくれるのはいいのですが、古いバージョンを削除してくれないのですね。これを削除すると空きは一気に1.5GBにまで広がり、これで満を持してアップデートに望むことになりました。

一旦アップデートが始まると特に問題もなく、またやけに時間がかかるということもなく、私の場合は15~20分ほどで全ての作業が終わりましたが、この時間もそれぞれのPCの環境により変わるようで、30分以上かかったという人もいるようですね。まあアップデートの内容からしてそれほど時間がかかる要素もないと思うので、妥当なところではないでしょうか。なお、その間何もできないというわけでもありませんが、アンチウィルスなども含めなるべく余計なプログラムは動作させないというのが安全にアップデートするために必要な心がけではないでしょうか。

さて期待した「10%のパフォーマンスアップ」ですが、確かに何となく前よりきびきびと動くような気はします。しかしアップデートのためにだいぶ環境を整理しましたので、純粋にアップデートの効果であるとも言えませんし、プラシーボ以上のものではないような気もします。ただ少なくとも遅くなったとは感じないので、セキュリティの向上のためにはインストールしておいても損はないのではないかと思います。

なお、今回のSP3の公開と同時に、XPでもメイリオフォント正式に使えるようになりました。私は既にライセンス違反を承知で使ってしまっていたのですが、これでようやく大手を振って使える、ということになります。このフォントは美しいとは言えず印刷にはあまり向かないのですが、画面上での視認性は良く、ClearTypeを使うことができるXPでは非常に見やすいものとなります。これによりまたVistaの魅力というのが一つ失われてしまったわけですが、PCを使用する多くの人にとってはOSというのはPCを購入すると付いてくるものであって、あとでOS単品を購入してアップグレードしたり、Vistaを使いたいからPCを新調するという人は一部のマニアでしかないので、あまりVistaの優位性というのは気にする必要がないと思います。第一、XPがインストールされていたPCをVistaにアップグレードしても満足な性能が出ずに後悔することになるだけですよね…