コーヒーが好きな人にこそお勧め
数あるコーヒーの飲み方の一つに「カフェ・アメリカーノ」というものがあります。要するに「アメリカン・コーヒー」という言葉をそのままイタリア語にしただけなのですが、エスプレッソをお湯ないし水で割ったものです。
本来、アメリカン・コーヒーというのは使う豆を少なめにして薄めに淹れたドリップコーヒーであるはずなのですが、学生時代に私が短期のバイトで働いていた喫茶店では普通に落としたブレンドコーヒーをお湯で薄めて出しているだけでした。今は本当のコーヒー専門店でなければどこでもそんなものではないかと思っていますが、何となく騙されていたような気がして当時の私にはちょっとした衝撃でした。まあ普通の「ブレンド」よりも全体の量は多くなるので、同じ値段なら別に損ということはないのですが…
私は以前はカフェ・アメリカーノもそれと似たようなもののような気がして邪道ではないかと思っていたのですが、先日読んだ「エスプレッソブック」でもちゃんと紹介されていて、普通のドリップコーヒーよりもクリアでなおかつコクと香りがしっかり出るということだったので俄然関心を持つようになりました。そして今日、会社帰りに駅前の銀行によるついでにスターバックスに寄り、初めて飲んでみました。
私はこれまでスターバックスでは涼しいうちはラテ、暑い時期はエスプレッソ・フラペチーノばかり頼んでいたのですが、今回は「トールサイズ アイス カフェ・アメリカーノ ショット追加」というオーダーで行ってみました。やはりさすがに歩いて汗でびっしょりのところでホットを頼むのは自殺行為ですからね。トールサイズでショット追加というのは、通常はショートとトールはエスプレッソが1ショット、グランデとヴェンティが2ショットということになっていてトールやヴェンティはどうしても薄めになってしまうので、濃い目のコーヒーが好きな私は50円上乗せして1ショット追加してみたのでした。
このエキストラショットは正解でした。後から来た後輩Mもアメリカーノのトールサイズを注文したもののショットは追加しなかったので、出来上がりは下の方に色の濃い層ができて上の方は無色に近い状態で、そのままストローで飲んでしまったら先に濃いところがなくなって、後半はかなり薄いものになってしまっていました。逆に私が飲んだ方は最後まで濃いままで、むしろ濃すぎると感じる人もいそうで万人向けではないかもしれません。
それはともかく、味の方は期待以上のものでした。確かにコーヒーを高圧蒸気で素早く抽出しているために余計なえぐみなどの雑味が出ることがなく、スッキリとしているのに苦みとコクと香りはしっかりと味わうことができ、普通のアイスコーヒーとはまた微妙に違う飲み物となっていました。水出しコーヒーの場合に感じられるような甘みはあまりなさそうなのでコーヒー好きの間でも若干の好みの違いはあるかもしれませんが、暑い夏にコーヒーを楽しむ最高の方法の一つと言えるのではないでしょうか。