毎年お盆の頃に甲子園球場で開催される全国高等学校野球選手権大会と言えば、日本の夏の風物詩の一つとも言える誰もが知っている大会で、たとえ自分の出身校が出ているわけでなくても自分にゆかりのある県の代表校をテレビの前で応援しているという人も少なくないのではないでしょうか。まあ若い人はそれほどではないかもしれませんが、喫茶店やカレー店でバイトをしていたときはお客さんがテレビに夢中になってる姿は良く見ましたし、私にとっては亡くなった祖父が毎年スコアを付けながら熱心にテレビで観戦していたというのがよく印象に残っています。私自身にとってはどうかというと、どうも同じ県にあるという以外自分に全く関係のない学校を応援するということができず、オリンピックでさえ醒めた目で見ている私に楽しめるはずがありません。
しかし今年は違います。…というのは3年前のセンバツの時にも同じ振りをしましたが、私の母校が県大会を勝ち抜き、代表校として出場しているからです。同じ学校にあったからというだけで自分には関係のない野球部…とも言えるわけですが、まあそれはそれ、自分の出身校を応援するというつもりで、会社を休んで家族で甲子園に応援に行ってきました。
どうしても選出の手続きが不透明に見えて仕方のないセンバツと違い、トーナメント形式の県大会を勝ち抜いての出場ということで春と夏とではこちらの気構えもちょっと違ってきます。ただ、今年は90回記念大会ということで出場校がちょっと多くなっていて、県大会が2つに分かれて代表校も2校となっていたので、出やすくなっていたというのは確かなようです。
この猛暑の炎天下、2時間ほどの試合の間応援し続けることができるのかが心配でしたが、熱射病対策ということもあって十分な飲み物を球場脇にあるダイエーで仕入れて、外野自由席に陣取りました。この外野席はセンバツの時と同様、無料で入ることができるというのが嬉しいのですが、今回はできるだけ学生のいる応援席に近いところに座るようにしたので、一緒になって応援している気分になることができました。
試合の方は見事に勝利を飾ることができ、非常に満足です。私は自分の母校というものに対しても若い頃は覚めた態度で接していたはずなのですが、ちょっと歳を取るにつれ自分のアイデンティティを形成するものとして捉えるようになったのか、ちょっと変わってきたのを自覚しています。まあ理屈ではなく、応援する気持ちがあるならそれでいいですよね。
今回はセンバツの寒さとは逆に暑いスタンドで汗をたくさん流しながらの応援となったのですが、観戦を楽しみにしていたはずの次男はまたしても3回くらいでまだ終わらないのかと飽きてしまっていたものの、逆に家族がみな行くなら仕方がないと言って渋々ついてきた長男の方が「思ったより良かった」と楽しんでくれたのも嬉しかったです。ただそれも勝ってくれたからこそで、もしも負けていたらどうなっていたかと考えるのも嫌ですが、一応私は今のところ甲子園で負けは経験していませんからね。となると第2戦もできれば応援に行きたいところですが…