Blu-ray Disc最後の光学メディアになるのか?

HD DVDとの争いに勝利して次世代DVDの座を獲得したBlu-ray Disc(BD)ですが、実際のところ思ったように普及しておらず、まだまだ現行DVDが健在といった状況のようです。最初の3年間の発売タイトル数がDVDに比べて低調というような報道もありましたが、特に高画質や高音質が必要でない場合にはDVDでも全く問題なく、あえてBDで制作する必要がないので仕方のないことでしょう。また、新作ソフトはDVDの1割などという記事もありましたが、再生機器の普及台数が桁違いなのですから比べるだけ意味のないことで、これはほとんど言いがかりというものではないでしょうか。元の映像ソースの画質が低いのにメディアだけBDにしたところで仕方がないので、最近の作品以外はなかなかBD化されにくいという事情もあるはずです。

とはいえ、ブラウン管テレビや普通のPCのモニタで見ているだけであればDVDで十分、以前のVHSの頃に比べれば格段に綺麗とも思えるのですが、最近の大画面テレビではさすがに情報量の不足を露呈してしまうようです。私も先日、PCで映画を観るときに1:1表示にしてみたとき、そのウィンドウの小ささを見てそのことに改めて気付かされてしまいました。その小さなウィンドウを画面いっぱいに引き延ばしてみていることになるのですから、せっかくの大きなディスプレイが泣くというものです。

ということで、以前から欲しいと思っていたBD-R/REのドライブを購入することにしてしまいました。もっと安い製品もあるにはあるのですが、性能にこだわればパイオニア製のドライブが一番良いらしいので、バッファローブランドで発売されたばかりの最大12倍速内蔵モデル「BR-PI1216FBS-BK」というものにしました。元々狙っていたのはパイオニアブランドのものだったのですが、それよりもだいぶ安く売られていたのでこちらにしました。

BUFFALO 書込み12倍速 BD-R/RE対応 SATA用 内蔵ブルーレイドライブ BR-PI1216FBS-BK
メーカー:バッファロー
バッファロー (2009/12/04)
ISBN/ASIN:B002Z147Y2

BD自体はWindows 7では標準サポートされているので、特にドライバなどをインストールしなくても使用できるようなのですが、それだけでは単に記録メディアとして使用できるだけで映画などを観ることはできないので、バンドルされているCyberlink Power DVDなどのソフトウェアにインストールが必要になります。これに少々時間がかかりましたが特にトラブルはなく、インストール完了後に再起動すればセットアップは完了です。

準備ができたところで早速、半年間寝かせてあったBD版の「トランスフォーマー」と「ウォーリー」を観てみましたが、やはりその映像のクリアさは圧倒的です。特に字幕やタイトルの文字がくっきりしているので逆に浮いて見えるほどですが、特に「ウォーリー」では描き込みの細かさと念入りな質感の表現が見事に再現されています。やはりフィルムでの実写映像では既にBDの画質には追いつかず、現時点ではCG作品でないと活かしきれないようにも感じられます。

というのはBD規格についての一般的な感想になりますが、このドライブの製品としての感想は今のところ大したことが言えません。普通に映画を観ているだけでは回転数も上がらないのでとても静かで、映画を楽しむ障害にはなり得ません。私がBDドライブを買いたかった理由の一つは写真のバックアップのためでもあったのですが、これまで利用していたDVD-RAMに比べると数倍早く保存することができ、この点でも満足です。使用したメディアがBD-REだったので2倍速止まりですが、それでも十分です。BD-Rなら12倍速まで上がるということなので、これ以上のスピードが欲しくなることは当面ないでしょう。

「BDドライブを買った」と言うとなぜか決まって「いつまで使えるんだろう?」と聞かれるのですが、私は結構楽観的に考えています。というのは、フルHDと言われる1920×1080の解像度が一般的な人間の視力の限界だと言われており、これ以上の高解像度化はあまり意味がないようだからで、オーディオには今でもCDが使われているように2D映像にはBDが使われ続けるのではないかと予想しています。逆にDVDは低解像度でないと使えないので、フルHDパネルが一般化してしまうと生き延びることは難しいのではないでしょうか。

将来のメディアとしてはホログラムディスクなども研究されていますが、その前にメディア自体の存在価値がなくなってきて、情報に価値が認められるようになるかもしれません。そのときメディアは本当に単なる媒体でしかなくなり、それは光ディスクであったり半導体であったり、あるいはネットからダウンロードされるものだったりするのでしょう。情報にこそ価値がある、というのは今でも当たり前のことだと思うのですが、それを認めようとしないレコード会社などがいつまで持つか、ということでもあるのでしょうか…