Alcatraz Cruises日本でいえば網走刑務所のような感じでしょうか。

サンフランシスコに来て明日でちょうど2週間になりますが、実はもう1週間後には帰国しなければならず、明日が最後の休日になります。3週間職場を空けるとなると長いように思いましたが、留学としては3週間なんてあっという間で、本当に何か身に付いているのだろうかと不安になります。また、観光に来たわけでないとはいえ、週末はわずか2回しかありませんので、それを無駄にしないようせっせと観光地を回らなければならず、休んでいる暇がありません。もちろんそれについて文句を言う筋合いでないのは分かっているのですが。

ということで今日はサンフランシスコで欠かせない観光名所の一つ、アルカトラズ島に行ってきました。アルカトラズ島へはサンフランシスコのPier 33(33番桟橋)から船で行くことができるのですが、このクルーズは結構人気がありインターネットで予約していた方がいいということだったので、私も先日申し込んでおいたのでした。クルーズにはEarly Bird, Day Tour, Night Tourとがあり、Night Tourのみ特別なプログラムが追加されているため少しばかり高くなっています。Early Birdというのは特別扱いされていますが、毎日初回のツアーに名前が付けられているだけで、単に先客がいないので空いているということで内容は全く同じです。とはいえ、確かに空いているうちに見て回れるのは良いので、私はこのEarly Birdに申し込み、朝7:30にホームステイ先を出てツアーに参加してきました。

サンフランシスコからわずか2.4kmしか離れていないということなので、船にのっている時間は15分くらいのものでしょうか。島に近づくと廃墟と化した建物がはっきりと見えてきて、少々薄気味悪い感じが伝わってきました。上陸すると物凄い早口で口上を述べるNational Park ServiceのOfficerがいますが、それを適当に聞いてから坂を登って行き、いくつかの建物を横目に進んでいくとメインの監獄にたどり着きます。アルカトラズ島といえばかのAl Caponeをはじめとする凶悪犯が収監されていたという監獄の島として有名なので、この監獄跡の見学がツアーの目玉となっているわけです。

ツアーには監獄内でのオーディオツアーの代金が含まれており、英西独仏伊日蘭中の8ヶ国語の音声による解説を聞きながら、ナレーションに従って移動していくことで監獄内を見学して回ることができるようになっています。私は最初学習のために英語で聞こうなどと思っていたのですが、事前にWikipediaを見てみると

日本語版オーディオガイドに関し、ありがちな機械翻訳ではなく適切な日本語訳となっており、且つナレーターの演技力が異常に高いため、それが臨場感を増す要因ともなっている。

とあったため、これを体験してみたくなって結局日本語で聞くことにしました。実際、声優によると思われる質の高いナレーションとなっており、これによってこのツアーの魅力は格段に高くなっているのではないかと思われます。単なる解説ではなく、看守や収監者らの証言や各種効果音も織り込まれていて、かなり凝ったものになっていました。

監獄自体は1963年に閉鎖されてからすでに50年近くが経過していますが、音声ガイドのせいか当時の様子が生々しく感じられ、薄気味悪い印象が残りました。パネルと小道具の展示のみで囚人の人形などは全くなかったのに不思議なものです。余計な物がないからこそ伝わってくるものがあるのでしょうか。ツアーはこの他Discovery Channelの特集番組を上映していたり、時間ごとに係員により各種の解説が行われたりしていました。

ということで、音声ガイドがこれほど重要なものだとはこれまで思っていませんでしたが、日本にはこのように力の入った音声ガイドなどあるのでしょうか。そもそも音声ガイド自体あまり一般的なものではないような気がしてしまいますが、私は今回のツアーでその力を見直してしまいましたので、今後音声ガイドマニアになるかも…なんていうことはないでしょうか。