Turkey日本人にはなかなかピンと来ませんが。

アメリカでは11月の第4木曜日の昨日11月25日はサンクスギビング、収穫感謝祭の日でした。日本人にはほとんど馴染みのない祝日なので一体どういうものなのかはあまり知られていないと思いますが、私もこちらに来て実際に色々見聞きするまでは全く訳がわかりませんでした。

このサンクスギビングというのはおそらくアメリカではクリスマス以上に最も重要な祝日です。クリスマスはあくまでキリスト教の祝日ですが、サンクスギビングは宗教とは直接結び付けられるものではないため、全国民が祝うことができるというのもあるかもしれません。この日にはアメリカ人は皆家族で集まり、一緒に盛大な夕食を食べる、というのが習わしになっています。

もともと、西洋人によるネイティブアメリカンへの迫害・侵略が始まる直前の良き時代に、西洋人とネイティブアメリカンとが互いに作物を交換し、西洋からはジャガイモやサツマイモ、アメリカからは七面鳥やトウモロコシが伝えられ、その収穫を盛大に祝った、というのが始まりだというのが通説になっているようです。要するに、新大陸での自分たちのルーツをここに求めているわけです。アメリカというのは基本的にあちこちから人が集まってきてできている国ですから、アイデンティティを確立するのも容易ではありません。

私もホームステイ先ではサンクスギビングのための特別なディナーを頂きました。サンクスギビングといえば七面鳥の丸焼きですが、ホストマザーは2日前から用意に取り掛っていて、台所に七面鳥が置かれているのを見て私もワクワクしていましたが、食卓に出てきた時にはすでにほぐされた状態でした。丸焼きの状態の時に写真を撮っておくべきだったと悔やんでいます。また、中にスタッフィングという詰め物をして丸焼きにすることになっていますが、これは添え物として出てきました。この他、マッシュポテトやエンドウ豆が添えられていましたが、これらはみな上記の逸話に因んでのものだということです。

ということでディナーは来客も招いて盛大に行われましたが、その翌日の今日金曜日はBlack Fridayと呼ばれています。何がブラックなのかというと商店がみな黒字になるからなのですが、この日からクリスマス商戦がスタートすることになっており、どの店でも大セールが始まります。サンフランシスコではユニオンスクエアが商業の中心地となっているのですが、この広場の周囲は大変な人だかりになります。ホストマザーは「クレイジーだ」と言うので、そう聞いて私も行ってみたのですが、実際には普段よりかなり混雑してはいるものの、週末のハチ公前などに比べればそれほど大したものではありません。まあそれこそ東京の密集度合いの方が世界の常識を超えているのでしょう。

セールの方は大幅な割引も行われていて、欲しい物があるならこの時に買うのがお得なのでしょうが、今日私が買ったのは思いの外寒いので欲しかったジャケットとTシャツくらいで、あとは家族への土産くらいでセールとは関係ありません。しかし、ジャケットは前日までの3割引、ついでに買ったTシャツは前日まで半額だったのにさらにその半額という訳の分からない安さで、もっと買った方がいいのではないかと思ってしまうものの、もうスーツケースに入らず持って帰れないので諦める、というような状態です。この安さなら大勢の人が押しかけるのもわからないではありませんね。

ということで、こんなことは実際に体験してみなければ分からないものなので、貴重な経験になりました。まあこの4連休のおかげで学校の方は毎日補習があって大変なのですが…