Muniおかげで旅行者には非常に便利。

アメリカというと完全な自動車社会で、車がないとどこにもいけないというイメージがあるかもしれませんが、サンフランシスコにはそれは当てはまりません。サンフランシスコには様々な公共交通機関が整備されていて、市内のどこに行くにも困らないのではないかというような網の目になっています。

まず、何と言っても忘れてはならないのがサンフランシスコ名物のケーブルカーです。現在では3路線を残すのみとなっていて、主に観光客向けの存在となってはいますが、その観光客の足としては便利でもあります。ちなみに、Powell-Hyde線とPowell-Mason線は連日長い列が出来ていて乗るまでにしばらく時間がかかりますが、California線は混雑せずにすぐに乗ることが出来ます。私が今朝乗ってきた時には乗客は10人足らずでしたので、一直線でターンテーブルもありませんが「とりあえず乗っておく」ならこちらの方が良いのではないでしょうか。

市民の足としてはまずMuni Metroが挙げられます。これは市内中心部では地下を走り、近郊では路面電車のように道路上のレールを走るライトレイルの一種です。私の通学にはこれを利用してホームステイ先から学校まで一本で行くことができます。ただ、定時性はあってないようなもの、乗っている間に急に行き先が変わったり、路上に障害があると急に運休になってシャトルバスに乗り換えなければならない、という信頼性の乏しい物だったりもします。私は一週間の間にどちらも経験しましたが、普通に走っているときはなかなか便利な乗り物です。また、F線だけは地下に入らず全線道路上を走行しますが、ケーブルカーに代わる観光資源となることを狙って各地のレトロな車両を走らせていて、雰囲気があって楽しいです。

また、市内のバス網もかなり発達していて、便数もかなり豊富で便利です。車両はトロリーバス、ハイブリッドバス、バイオディーゼルバスとあるようで、さすが排ガス規制の厳しいカリフォルニアだけあります。トロリーバスは日本では廃れてしまいましたが、アイドリングはほぼ無音で走行中も静かで振動が少ない、排気ガスが出ない、低速トルクが太く力強く発進、とメリットがあり、電線のないところは走れないという問題はあるものの捨てたものではありません。

さらにこの他、市内と空港、オークランドやバークレー、フリーモントなどを結ぶ乗り物としてBARTがあります。1972年の開通だというのに中央制御による自動運転という先進的なシステムで、Muniとは違い定時性もバッチリです。私は何度か利用したくらいですが、市外との連絡には欠かせない交通機関になっているのではないでしょうか。車両も自動運転であることを強調するような外観で未来的というかレトロフューチャーな感じでなかなか良いです。

数週間から数ヶ月の滞在者の乗車券には2種類のオプションがあります。まずMuni Passportというものには1,3,7日のものがあって、3,7日のものは連続した期間だけ使用でき、ケーブルカー、Metro、バスに乗ることができます。もう一つがMonthly Passなのですが、1ヶ月間ではなく暦月単位、つまり11月なら何日から使い始めても11月30日までとなっているのが曲者です。ただその一方BARTにも乗ることができるという利点があります。

私は11月14日からで月の半分しか使わないことになるのがもったいなくてMuni Passportの7日券を滞在期間分まとめて買いましたが、これは7日で$26です。Muni Metroは1回均一料金で$2なので1週間毎日往復乗れば元が取れる計算になりますが、ケーブルカーは1回$5なのでそれでだいぶお得な感じになります。Monthly Passは$70なので半月では元が取れないような気がしましたが、BARTが使えるならその方が良かったかな…と今になって後悔しています。しかも勤務先で精算できるわけですし… ちなみにMuni Passportはサンフランシスコ国際空港の到着口出てすぐのツーリストインフォメーションで購入できます。