Federal Reserve System日銀にも行ってみないと。

私は今、サンフランシスコにいます。勤務先から派遣されて語学学校に3週間の短期留学ということになっているのですが、今日で一週間通学したことになります。留学というと各国からの留学生や現地の人との交流があって華やかなものではないかと思うかもしれませんが、ほとんどの留学生が20代の若者であることもあってなかなか溶けこんでいくのが難しかったりします。それなりには交流がないでもないのですが、来週にはThanks Givingの連休があるためにそれを避ける人が多いのか、今週で帰ってしまう人、再来週からの人が多いようで、3週間通して一緒にいられる人がかなり少ないというのも問題です。さらに、平日は6時近くまで授業があり、夕食のために7時までには帰宅しないといけないので、のんびり観光などしている暇もありません。

それはともかく、先日この語学学校の課外授業のような形で、学校から10分ほど歩いたところにある連邦準備銀行見学に行ってきました。金融関係の仕事をしている人や経済学を学んだ人たちは当然知っているのでしょうが、それ以外の人には「連邦準備銀行って何?」という感じではないでしょうか。私もなんとなく「日銀のようなものかな」という程度に漠然としか理解していませんでしたが、どうやら実際にそのようなもののようです。

しかし、その連邦準備銀行というものが全米12箇所にあって、その一つがサンフランシスコにあるなどということを知っている人はどの程度いるのでしょうか。また、サンフランシスコに観光などで来て連邦準備銀行の見学に行くという日本人は数少ないでしょう。やはり一般観光客が行くようなところではないので、「地球の歩き方」にも載っていないようです。一応任意ということだったのですが、なかなかできない貴重な体験ではないかと思い私も参加することにしました。

見学の申し込み自体はそれほど堅苦しいものではないようでしたが、受付では写真入りの身分証明の提示が必要で、カメラやカメラ付き携帯電話は持ち込み禁止、金属探知と荷物のX線検査を行うという厳しさはありました。また、警備員室には大きな銃が装備されていて、さすがアメリカの物々しさでした。

見学にはフランクなハンサムガイが同行して詳しく説明してくれるのですが、最初に口頭説明と質疑応答があって、その後地下の金庫室とその周囲で行われている紙幣の取り扱いの様子を見せてくれました。銃を構えた警備員に見守られながら2人組の作業員がひたすら銀行から集まった札束を数えているところ、その札束をばらして偽札や汚損された紙幣を弾いて新しい札束を作る機械、そして50cm以上もありそうな分厚い扉の金庫室ですが、そこで取り扱われている紙幣の量を具体的には教えてくれなかったものの、とんでもないものでしょう。最後に元の部屋へ戻ってアメリカ独立の頃からの紙幣の歴史をビデオで見て、常設展示場を回って終わりでした。

この連邦準備銀行の見学は定期的にも行われているようなのですが、その場合は地下へは連れて行ってもらえず、団体で申し込む必要があるようです。おそらくそれではあまり面白いものではないでしょうから、やはり行ってみた甲斐があったのではないかと思います。

ちなみに最近の円高ドル安の関係で「FRBバーナンキ議長」という名前がニュースで見られますが、このFRBというのが連邦準備銀行の上部組織である連邦準備制度理事会のことです。しかしこの和訳では分かりにくいですよね。じゃあどう訳せというのか、と言われても難しいのですが…

[2010-11-20 追記]
書き忘れましたが、帰り際に廃棄するためにシュレッダーに掛けられた紙幣を小袋に入れたものがもらえます。頑張ってくっつければ幾らかの金額になるかもしれませんが、そんな気にはならないほど細かく刻まれています。とはいえ真券です、きっと。