The United States of America何事も経験してみないとわからないもの。

まだしばらく先のことだと思っていた私の語学短期留学もいつの間にか1ヶ月を切っていて、なんとなく気ぜわしい感じがしてきていますが、ろくに用意らしいものは出来ていません。本当に必要な手続き等は旅行代理店の方が進めてくださっているので心配はないのでしょうが、本当にこのままで留学なんてできてしまうのだろうかという感じです。

この「本当に必要な手続き」の中でもっとも重要なものの一つが学生ビザの取得で、そのためにいろいろ書類を集めたり申請用の情報を記入したり、申請費用を入金したりと面倒だったのですが、ビザが取得できるかどうかの最後の関門となる「領事面接」というものが今日ありました。面接自体は簡単な質問をするだけで、指紋の採取を主目的としているらしいのですが、各種ビザの取得のためには必要なステップで、東京の大使館か大阪の総領事館に足を運ばなければいけないことになっているので遠くに住んでいる人にはなかなか大変ではないかと思います。

しかし、この領事面接についてこの程度のことはちょっと調べれば判るのですが、これ以上の具体的なことはなかなか出てきません。例えばどのくらいの時間がかかるものなのか、どのような服装で行くべきなのか、といった簡単なこともわからず、若干の不安がありました。服装についてはあまりラフな格好で行って変な印象を与えない方がいいだろうと思い、チノパンツに開襟のシャツで行ってみました。

面接はあらかじめ日時を指定して予約した上で臨む必要があり、私は今日の朝10時からの予約だったのですが、「あまり遅刻するとビザが発給されないことがある」「15分前には受付を済ませるように」と言われていたので余裕を持って9時15分ごろに大阪キタの駐大阪・神戸アメリカ総領事館に到着しました。この総領事館はビルを1棟占有しているのですが、そのビルの前には機動隊のバスが停まって護衛についていて、ものものしい雰囲気です。その脇を通ってビルに近づくと、年配の警備員が近づいてきて、電子機器や飲食物は入り口で預けるようにと丁寧に説明してくれました。その案内に従ってビルの中に入ると、まず携帯電話やPCなどを預け、バッグをX線検査装置に通し、金属探知機のゲートを通ってさらに所持品検査です。まあこれは空港の保安検査と全く同じようなものです。ちなみに警備員は皆日本人のおじさんで、マッチョで威圧感のある黒人警備員などはいません。

その後3階の受付に行くように言われるのでそれに従い、エレベーターで上がるとガラス越しに受付があるので書類を渡ししばし待ちます。この受付の方は日本人だったようですが、ほとんど喋らないので妙に緊張してしまいました。書類を見ながらPCでいろいろ入力すると書類を返され、2階で面接を受けるようにとのことで今度は階段で2階に降ります。

2階はなにやら入り組んだ通路になっていて、そこを通って行くとまたもやガラス越しの面接ブースがあります。実はここまで領事館側の人以外は誰ひとり出会わなかったのですが、ここでようやく面接中の人を見つけました。この人はかなり流暢に英語で喋っているように見えたので慣れているのでしょうが、服装はかなりカジュアルだったのであまり気にする必要はなかったのかもしれません。

2,3分も待つと私の番が回ってきましたが、まず最初に両手10本の指紋を採取されます。これはアメリカの入国審査時と同じです。その後はいくつかの質問がありましたが、簡単なものばかりです。面接官は白人女性でしたが、日本語で聞かれたのでそのまま日本語で答えました。質問は「会社に何年勤めているのか」「会社は間違いなく費用を出してくれるのか」「どうして今英語を勉強することになったのか」というようなことですが、この内容からすると基本的に不法滞在を恐れているのでしょうね。

ということで「面接」は5分もしないうちに終わってしまい、結局総領事館から出たのは予約の時刻よりも30分も早い9時半で、ものの15分ほどで全て終わったということになります。といっても、面接ブースの手前には行列できるようなスペースがありましたし、大使館の案内でも本などを持参することを勧めていたので、これだけスムーズに終わってしまったのは空いている時期だったからということなのでしょう。学生が集中する夏休みや春休みの前は混雑するのではないでしょうか。

終わってしまえばなんということのないもので、だからこそほとんど情報がないのでしょう。なんとなくそう納得してしまいましたが、それでも初めての人は不安を感じるものだと思います。これから面接を受けるという人がこの記事を見つけて不安を取り除いてくれると嬉しいのですが…なかなかそうはいかないでしょうか。