NAIASカメラを持参できなかったのが残念です。

今回デトロイトへはとある商談のために赴いたわけですが、この期間中にデトロイトでは北米国際オートショー(North American International Auto Show – NAIAS)が開催されていました。デトロイト・オートショーとも呼ばれるこのショーは世界5大モーターショーの一つであり、アメリカの3大自動車メーカーが本拠地を構えるデトロイトで行われるものだけにビッグ3の展示は他のどのショーよりも盛大なものになります。元々このオートショーに行く予定はなかったのですが、ちょうど空き時間ができたため急遽行ってみることになりました。

開催場所はデトロイト市の中心部、ダウンタウンにあるCobo Centerというところなのですが、アメリカの中でも極端に治安が悪いと言われるダウンタウンに行くということでちょっと緊張してしまいます。さすがにこれだけのショーが行われているために付近の警備は徹底されているのでもちろん会場内は問題ないのですが、やはり会場の外をうろつくのはやめておいたほうがいいとのことで、そう聞くとますます恐ろしくなってきます。まあ、フリーウェイの出口がCobo Centerのすぐ脇にあるので危険な地域を通り抜けたり擦る必要はないのですが、付近の駐車場から歩く間はドキドキでした。

もちろん何の問題もなく会場に入ることができたのですが、当日はIndustry Preview(業界内覧日)だったので、来場者は業界関係者のみということで落ち着いて見ることができました。このショーは東京モーターショーなどとは違ってディーラーなどが買い付けの参考にするために、またその場で商談を行うために来場することがメインとなっているようなので、展示されている車両は基本的に量産車で、コンセプトカーなどはごく一部、また新技術を紹介するような展示もほとんどありません。ということで、世界中の新しい車を一度に見ることができるのですが、お祭り的な華やかな雰囲気は一切ありません。東京モーターショーのようなコンパニオンもゼロではないにしてもごく僅かですし、カタログの配布もほとんどありませんでした。

展示メーカーはビッグ3を中心に、ドイツ勢はダイムラーBMWVW/AUDIポルシェなどほぼ全てのメーカーが出展していたのに対し、フランス3メーカーは全くなし、日本メーカーも日産スズキ三菱が不参加で、各社の情勢を反映しているようでした。そのため中国メーカーは何社も出展しているかと思われましたが、BYD一社にとどまっていたのは興味深いところかもしれません。また、中でもAUDIが他社と比べてかなりの賑わいになっていたのが印象的で、勢いがあるとはこういうことなのかと思いました。

各社の展示を見てみるとEV/HEVに力を入れているところが多く、Voltも発売されたことで今後ますます注目が集まっていきそうです。しかし、それは必ずしも環境意識が高まっているというわけではなくて、単にそれが流行っているから、オシャレでスマートに見えるからということのようで、その顕著な例はTahoe Hybridのようなものでしょう。まあそれはそれで技術の進歩と普及のきっかけになればいいのでしょうけどね。

ということで全体的に楽しいというものではなかったのですが、東京モーターショーとは違う雰囲気を味わうことができたのは良かったかもしれません。また行きたいかというと、一度経験すれば十分かなという気がしますが… ちなみにBYDのブースでは車両諸元などの表示にiPadをパネルに埋め込んでそのまま使用しようとしていたようなのですが、スリープに入ってしまっていたりパスコードロックがかかってしまっていたりでまともに表示されているものが一つもなかったのには苦笑してしまいました。