東日本大震災の影響もあり、行楽の出足が鈍っているという今年のゴールデンウィークですが、皆さんはどのようにお過ごしだったでしょうか。今年は小学校がうまい具合に連休になったので久しぶりに帰省しようかと思っていたところに震災が起こってしまったので、わざわざ混乱しているところに出向くのもどうかと思い近場で過ごすことにしました。
ということで、地元姫路で最近できた新しい見学施設2ヶ所に行ってみましたが、まず一つ目は「天空の白鷺」です。この命名もなんだか大げさなのですが、現在修復工事の行われている世界遺産・国宝姫路城天守を覆う素屋根の内部に見学用の設備を設けたものです。素屋根は天守をすっぽり覆う形で被せられているのですが、その中に見学用のエレベータを設置し、天守最上部に当たる7,8階に見学用の部屋を設けて修復作業中の天守を間近に見たり、天守の高さから市内を一望したりできるようになっています。
市内髄一の観光資源である姫路城が修復のために覆われてしまうことについては、観光客が激減することは避け難く、観光産業に深刻なダメージを与えることが容易に推測できましたが、そのダメージを最小限に留めるべく考えだされたアイデアがこの天空の白鷺でしょう。工事用の施設に少々追加して見学用の設備を設けただけのものですが、これがなかなか大したものです。こういう時でもなければ天守の上層部を外側から観察することなどできませんし、修復作業の内容や内部構造などが紹介されているのも勉強になります。
また同時に期間限定でリの一渡櫓では鬼瓦、鯱、漆喰壁の内部や甲冑が展示されていますが、この甲冑のディスプレイは間近で見ることはできないものの照明に凝っていて子供や外人サンには受けるかもしれません。
なお、この天空の白鷺は当日券での入場も可能ですが、枠が限られているため特に休日は事前予約をお勧めします。個人情報の入力が必要なのが少々気になりますが、予約手数料は特に必要なく、インターネット上で完了します。私たちは9:15~10:00という最初の時間帯に申し込んでいましたが、9時頃に入り口に着いたときには当日券を求める人で長い行列ができており、10時過ぎに出たときには午前の整理券はすでに終了していたようです。天空の白鷺自体の見学は30分もかからないと思われるので、あまり長い時間行列してからでは拍子抜けしてしまうかもしれませんので、そういう意味でも予約をお勧めします。また、予約が必要なのは天空の白鷺に入場する場合のみで、一部公開されている天守下層部やその他場内の見学には必要ありません。
さて、2つ目は手柄山交流ステーションという名の施設です。公民館のような冴えない名前ですが、ここはもともと姫路モノレールの手柄山駅があったところで、わずか8年間で営業を終えてしまった幻のモノレールの車両を展示するスペースが設けられたものです。営業終了から長らくこの旧駅の構内に保管されていた車両が修復され、姫路の交通の歴史や日本・世界のモノレールを紹介する展示が設けられています。
市内の住民以外がわざわざ訪れるところではないでしょうが、レトロモダンな車両はそれなりに一見の価値はあるかと思います。しかし、この施設の目的が私にはよく分かりません。市役所の一部の人間が突っ走ってしまったということはないのでしょうか。姫路市交通局の歴史に価値を見出す人がどの程度いるのでしょう。まあ、この建物自体は旧駅設備の再利用ですし、その半分ほどはこの夏再開予定の水族館が入ることになっているので、実は有効活用といえるのかもしれませんが。