Yo想像力がモノを言う?

インターネットの世界で巨人として君臨するGoogleSNSではどうもうまくいかないようで、なぜかブラジルでは人気のあったOrkutもついにサービス終了というニュースが伝わってきたり、Google+も今ひとつといったところのようです。Google+にはそれなりにユニークなところがあるように思うのですが、私としてはAPIが非公開であるというところに非常に不満を感じています。Googleもスマートフォン等のアプリに関しては得意というわけではないようですから、公開してサードパーティからの優れたアプリをコミュニティに取り込んでいけばいいと思うのですが、いったい何が問題なのでしょうか。

そんな中で、非常にユニークなSNSが登場し話題となりました。その名もYoというものですが、コミュニケーションとしては”Yo”というメッセージを送ることしかできないものです。サービスもシンプルならアプリも非常にシンプルで、基本的なUI要素としてはカラフルな画面の横幅いっぱいの箱に大きな文字が書かれているだけ、さらにアイコンはイメージカラーらしき紫色一色というものです。これはサービスそのもののシンプルさを非常にわかりやすく表した優れたものといえるかもしれません。

私は自分が普段使っているIDを他の人に取られる前に先に確保したいということもあって、新しいサービスにはすぐに飛びついて登録しているのですが、このYoの場合は周りで使っている人があまりに少なくてなかなか試してみることができませんでした。現時点では同じように固定のIDを使っていると思しき友人1人と、試したいからと頼んで登録してもらった別の友人1人、そしてTwitterあたりに投稿したURIから登録したらしい見ず知らずの1人だけが相手です。

この友人らにはたまに送ってみているのですが、あくまで送られるのは”Yo”というメッセージのみ、それが何を意味するのかは送られた側が想像するしかありません。しかしそれでも、送ったすぐ後に”Yo”と返ってくると、なんとなく時間を共有しているような感覚になって良い感じです。また、時間帯によって「おはよう」なのか「ただいま」なのか「おやすみ」なのかは大体わかりますし、”Yo”というメッセージなので気分の良くない時には適さないかもしれません。

これをもうちょっと凝ったものにしてしまうと、気分によっていくつかのメッセージを使い分けるものにしてしまったりするのかもしれませんが、それをあえて一種類のみにしているところが想像力を掻き立てられていいのではないでしょうか。もっと複雑なことを伝えたければ他のサービスを使用すればいいのですから、これはこれでいいのだと思います。

また面白いのはこんな単純なサービスながらちゃんとAPIが公開されているということです。伝えられるのは”Yo”のみ、とはいってもそれが誰から伝えられたのかは分かるわけで、ウェブサイトの更新通知に使ったり、スポーツ情報サイトが得点を知らせるために使ったり、といったことが提案されています。他にもどのように使うかはアイデア次第といったところでしょうが、要するに単純な通知サービスとして様々な用途に使うことができるのではないでしょうか。また早速IFTTTにもYoのチャンネルができましたので、一気に広まるかもしれません。

ということで、最初は私もどうやって楽しんだら良いのかわからなかったものの、実は結構使える楽しいサービスなのではないかと思うのですが、いかんせん身の回りの利用者が少なすぎます。100万ユーザはあっという間に突破したとのことですが、定着するためにはその数十倍のユーザが必要ではないでしょうか。まあ今は既に一つのメディアとなっているTwitterですらそうなるまでには数年を要しましたから、しばらくは耐えてもらいたいものです。