AutoCraft Gold Battery最後の最後にそんな罠が待ち構えているとは…

長く楽しかったグランドサークルの旅もとうとう終わり、最終日はグランドキャニオンのホテルからラスベガスの空港へ移動し、デトロイトへの飛行機に乗って帰宅するのみとなってしまいました。

飛行機は2時台の便でしたが、万が一にも遅れては困るので余裕を持たせて正午前後の到着を目標として、4時間半くらいかかるということなので7時半にホテルを出発することにしました。あまり時間もないので部屋から荷物を車に移し、食事を済ませてそのままチェックアウトしようと思ったのですが、7時台というのは他の観光客も一斉に食事を摂る時間だったので、比較的大きな食堂だったのに大変な混雑でした。しばらく探してなんとか空席を見付け、落ち着かない朝食を摂ってさっさとホテルを出ました。

ラスベガスへの道は行きとはまた風景も異なりますが、周りに何もないことは一緒でした。ちょっと驚いたのはI-40 (州間高速道路40号線)を走っていて、自転車のマークの下に”USE SHOULDER ONLY”と書かれている標識を見つけた時です。「自転車は路肩を走行せよ」ということなのですが、その区間の最高速度は75MPH、つまり120km/hです。そんなスピードで車がビュンビュン走っている脇を自転車で走るというのはちょっと覚悟のいることですが、確かに平行する一般道もないのでしかたのないことなのかもしれません。とはいえ、私が走っている間には自転車は1台も見かけませんでした。

そうこうするうち、ラスベガスに入る直前にフーバーダムのすぐ脇を通るのでちょっと見学したいと思ったのですが、時間がないのであえなくそのまま通過です。本当にすぐ側を通るのですが、脇見運転を防ぐためか側壁が高くなっていてダムの姿は全く見えないようになっていました。たびたび映画にも登場する有名なダムなので、一度見ておきたかったのですが残念です。

そのあとはナビの設定を間違っていてレンタカーセンターに辿り着くまで余計な時間がかかってしまいましたが、着いてしまえば返却は列に並べて停めて係員が端末でチェックアウトするのを待つのみで、非常に簡単でした。そこから空港へのシャトルバスもすぐに乗ることができて、到着時に比べてもよりスムーズでした。

飛行機の方は出発が1時間弱遅れ、機材も変更になったということで座席が変わってしまったりということはありましたが、最近はTSA Preが使えるようになって搭乗前の保安検査がかなり簡単になり、また行列に並ぶ必要がなくなったので非常に楽になりました。TSA Preは一体どういう条件で認められているのかさっぱりわからないのですが、米国居住者はぜひ申し込んでおくべきでしょう。

今回はおまけに帰りの便がファーストクラスにアップグレードされました。デトロイトへの到着予定時刻が10時頃と遅いためか搭乗率があまり高くないためなのでしょうが、おかげでエコノミークラスでは出ない機内食でサラダを食べることができ、広々とした席で快適に帰ることができました。しかし私はエコノミーでは全くと言っていいほど眠れないのに、ファーストに乗ると快適すぎるのか離陸前に寝てしまい、それはそれで良いのですがあまり堪能できなかったりします。

そうして無事にデトロイトに到着し、いつも車を停めている空港近くのQwik Parkという駐車場へのシャトルバスの車中も「今回は何事も順調で良かったねえ」などという話をしていたのですが、最後になって思わぬトラブルが待ち構えていました。車に荷物を積み込み、皆乗り込んでさあ出発、とエンジンを掛けようとすると…スターターが弱々しく回る音とともに虚しくリレーやブザーの音が鳴ります。ヘッドライトが暗い感じもないので、本当にぎりぎりのところで足りないようです。おそらく毎日乗っていたり2,3日程度置くくらいでは問題なかったのでしょうが、1週間は耐えられなかったようです。しばらく前から寒い日などに始動にやや時間がかかることはあって気になっていたのですが、ディーラーの整備士がまだ大丈夫だと言うので交換せずにいたのでした。

日本のJAFに近いAAAを呼ばなければならないのか、同僚に電話してみるか、などいろいろ考えが巡りましたが、駐車場のスタッフが助けてくれるかもしれないと思ってとりあえず事務所に行ってみたところ、「ちょっとそこで待っていて」と言われて待っているとシャトルバスの運転手が現れて、バッテリーブースターを持って車まで一緒に行って助けてくれました。それはもちろん無料でしたが、非常に嬉しかったので思わず$20札を握らせておきました。AAAを呼んでいたらそれでは済まないでしょうから、安いものです。本当は帰りに食事に寄るつもりだったのですが、結局その日は家までエンジンを切らずに帰り、翌日すぐにAdvance Auto Partsへ走りバッテリーを交換しておきました。

ということで、思わぬ落とし穴が待っていたものですが、苛立たず冷静に対応することができたのは機内食と睡眠のおかげでしょう。また、自宅に着いてみたら泥棒が入っていてもぬけの殻、などというよりは格段にマシです。本当にいつも旅行に行く度にそれが恐ろしいのですが、考えてみてもうちに置いてあるもので盗られて困るのはPCくらい、金にはならないのでリスクを犯す意味は無いよと入られる前に教えてあげることはできないものでしょうか。 (終わり)