University of Michiganやっぱりプロとは違うのか。

私たちの住むAnn Arborミシガン大学の城下町ということで、人々の暮らしに深く関わっているとまでは言いませんが、折に触れミシガン大学との関わりを意識します。特にカレッジスポーツの分野では存在感が強く、次男が学校のブラスバンドで習った課題曲がミシガン大学の応援歌だったりと、住民総出で応援するようなところがあります。そこで先日はアメリカンフットボールの試合を観戦し、なかなか楽しむことができたわけですが、アメリカでもカレッジスポーツはフットボールばかりではありません。特に男子バスケットボールは人気だけでなく実力も高く、昨シーズンは全米一を決めるNCAA Championshipの決勝戦まで進んだようで、今年も良い成績が期待できるようです。

しかし私は渡米以来アイスホッケーに非常に惹かれ、NHLDetroit Red Wingsの試合はほぼ全てテレビ観戦するほどのめり込んでいるわけですが、それならミシガン大学のホッケーも一度見ておかなければ、というのも自然な流れです。どうやら実力はそれほどでもないようですが、少なくとも応援そのものを楽しむことはできそうな気がしました。家族はホッケーには関心を持ってくれないのでまた一人で行くことにしたのですが、全体的には完売に近いようなチケットも、一人分なら点々と空きがあり、幸運にもゴール斜め後ろの最前列という、私にとって最高の席を確保することができました。

ホッケーの会場はミシガン大学のスポーツ施設が集中している地区にあるYost Ice Arenaというスケート場になりますが、駐車場の数が限られていて、また$20と高いのが難点です。しかし会場に足を踏み入れて非常に驚いたのですが、とてもきれいで明るく、またリンクの上にあるスクリーンも巨大で明るく見やすく、これまでにデトロイトで見たどのプロスポーツのものよりも立派でした。ミシガンスタジアムも大変立派でしたが、やはり金を持っているということなのでしょう。公立大学なのに。

カレッジスポーツ独特なのはマーチングバンドと学生の応援があるということです。日本の大学の応援団のようなものはありませんが、会場の一角を占めるバンドと学生が一体となって振り付けとともに演奏し歌うというのは見ていて面白いものです。また一般の観客の中にも卒業生なのか応援に熱心な人があちこちにいて、曲に合わせて一緒に歌い踊っていました。私の隣にはやや高齢のご婦人が座っていましたが、そんな人もです。試合前にはやはり国歌斉唱がありますが、これもバンドの演奏と合唱によるもので、プロスポーツとは違う趣がありました。試合中も進行とともに応援があり、放送でアナウンスや音楽が流れるだけのものとは違い、応援している一体感が得られて楽しいものでした。

しかし、肝心の試合内容の方はいただけません。成績が収入に直結するプロとは真剣さが違うのか、あるいは単に技術的・体力的に未熟なのかわかりませんが、試合中なのに休んでしまっている選手がチラホラと見られ、パックを追いかける姿に必死さが見えませんでした。またくだらないミスも数多くあり、Plymouth Whalersの方が選手は若いのに断然面白い試合を見せてくれるように思いました。第1ピリオドのうちにそんなことを感じてしまったので、正直なところ最後まで見るのがだるいくらいだったものの、せっかくだしと最後まで見ても何も変わらず残念でした。

ということで、おそらく二度と見に行くことはないでしょうが、少なくとも応援の様子と会場は見た甲斐がありました。相手選手が反則を取られてペナルティーボックスへ入って行く時に、皆で何か声を出しながら横に手を振って見送り、入ったところで指をさして責め立てるような振り付けなどは面白かったのですが…