ユーザーにとっては便利なタクシー以外の何物でもない。
登場以来何かと物議を醸しているハイヤーサービスのUBER、私も以前から体験してみたいとは思っていたものの、試してみる前の会員登録時にいきなりクレジットカード情報を要求されるので、どうも信用しきれずにそこから先へ進む気になれずにいました。しかし先日のFTFの際にT氏がUBERで呼んだ車に乗せてもらってその便利さが魅力的に感じられたのと、UBERもだいぶ大きな企業になったようなのでさすがに問題無いだろうと判断し、急坂ばかりのシアトルで歩き疲れた時にホテルまでの移動に利用してみることにしました。
当初からそうだったという記憶はないのですが、登録しようとした時にPaypalが使えるようになっていたのも利用に際してのハードルを下げてくれて、結局クレジットカードは登録していません。まあ、Paypalだと何が安心なのかという根拠があるわけではなく、ただなんとなくなのですが。
UBERの素晴らしいのはスマートフォンのアプリがサービスに非常にうまく融合されていることです。配車を依頼する時点で、自分のそばにどれだけ配車可能な車がいて、何分で迎えにこれるのかがわかり、目的地を入力すると時間と料金のおおまかな見積もりが得られます。そして配車を依頼すると担当の車のナンバー、運転手の顔と名前がわかり、それが今どこを走っているのかが地図上に表示されるので、短気な人でも今か今かといつ来るのかわからない車を待ってイライラする必要はありません。
車が到着したら、危険な目に遭わないよう車のナンバーと運転手をしっかり確認することがUBERから勧められているのでその通りにして車に乗り込みます。すると今度はアプリ上では運転手が選択したこれから走るルートと現在位置が表示されるので、どこぞの観光地の遠回りするタクシーのような目に遭う心配もありません。最後に目的地に到着したら、料金決済も自動的に行われるので支払いもサインも必要なく、サッと降りることができます。
一方、運転手側も専用のアプリを使用していて、配車や乗車後のルート選択、ナビゲーション、決済に利用することができるので非常に効率的です。このアプリさえあれば誰でもすぐにUBERのドライバーになれるのではないかと思えますが、実際にはそれなりの講習があるはずで、また行政からの認可も必要なのだろうと思います。
サービスの実態としてはどう考えてもタクシーそのものとしか思えないのですが、UBERはハイヤーのドライバーと契約して配車サービスを行っているだけだと主張しているようなのが各方面との衝突の原因のようです。タクシーの場合は料金も認許制となっていることが世界的にも多いようですが、それにはとらわれない姿勢を取り、飽和状態のタクシーに構わず参入してタクシードライバーの仕事を奪っていることが問題のようです。実際に利用してみて非常に便利なサービスであることを実感したので、無法者のように振る舞ったり法の抜け穴を利用するのではなく、正々堂々とサービスを広げていってもらいたいものです。
なお、UBERと比較されるサービスにLyftというものがあるようで、具体的にはどう違うのかよくわかりませんが、単純に競合なのでしょうか。こちらも一度利用して比べてみたいような気もしますが、使い分けるほどの違いがあるものなのでしょうか。単にサービス地域で住み分けられるだけだとそれもまた利用者にとってはめんどくさいだけですが。