今回の台湾旅行の第一の、というより唯一のしっかりした目的は十分でのランタン上げでした。これは妻の希望で、それさえできればあとは私に任せるというくらい、珍しく強い希望だったのでぜひ叶えなければ、と到着日の午後から行ってきました。
十分は前回行った「千と千尋の神隠し」のモデルと言われて有名な九份よりちょっと奥にある別の街で、台北からは鉄道を乗り継いでいくことになります。台北から瑞芳(Ruifang)までは電化されていて急行電車などもありますが、そこから先は気動車でなかなかの山の中を川沿いに上がっていくことになります。台北から十分までの所要時間は乗り換え待ち時間を入れて1時間半ほどです。
台北は晴れていたのですが、残念ながら瑞芳の手前くらいから小雨になってしまったのですが、なんとかランタン上げには支障がない程度で助かりました。駅を出てすぐ、線路の両側に立ち並ぶ商店の前でいくつものランタン業者が呼び込みをしていて、そのうちの1軒に声を掛けて、まずはランタンの色を選びます。ランタンの色にはそれぞれ関連する願い事があり、単色か、四色の組み合わせから選ぶことができます。そして色を選んだら各面に自分の願い事を筆で書いていきます。
願い事を書くのはすべて妻に任せたのですが、書き終わったら店の人に頼んで上げてもらうことになります。毎日何人もの相手をしているでしょうから当然ではあるのですが、この店のおじさんが非常に手慣れていて、スマートフォンを渡すとランタンの各面を掲げているところの写真と上げるところの動画を撮ってくれます。これがまた良くできていて、パッパッと撮っているのに自分たちがとても楽しそうに撮れていてとても良かったです。動画もとてもうまくできていました。
惜しむらくは空がどんよりと曇ってしまっていたことですが、今回の旅行の日程の前後は雨天続きだったことを考えると、無事にランタンが上げられただけまだ良かったと思うしかありません。少なくとも予想以上に非常に楽しい経験ができました。私もちょっと斜に構えていたのですが、新しい経験というのはいいものでした。
なお、帰りは十分から台北市内までのバス795番があったのでそれに乗って、山道を1時間以上揺られて帰りました。