現行のMacBook Airは以前の楔形から平たい形状に変わったこともあり、見た目ではあまり小ささを感じさせないデザインになっていますが、実際の13インチ版のサイズはあのSteve Jobsがマニラ封筒から取り出した初代MacBook Airよりも横幅が20mmも小さくなっており、2010年に発売された11インチ版とも5mmほどしか変わっておらず、奥行きでも初代と11インチ版の中間くらいとなっています。重量もそれらの中間くらいとなっていて非常に軽量コンパクトなものとなっているのですが、そのために犠牲になってしまっているのが拡張性です。装備されている入出力ポートはMagSafe電源の他に2つのThunderbolt 4 (USB-C)ポートと3.5mmヘッドフォンジャックのみとなっており、デスクトップ機の代わりに使うには制約が大きく、拡張性が必要ならMacBook Proを選択すればいい、というのがAppleの言い分なのだろうと思います。
私は今回購入したMacBook Airでこれまで使っていたIntel版のMac miniを置き換えることを目論んでいたのですが、それを可能にしてくれたのがBelkinの「ユニバーサルUSB-C 8-in-1デュアルディスプレイコアハブ」という製品でした。
USB-CやThunderboltを介して入出力を拡張するドックと呼ばれる製品は色々ありますが、一番Macで安心して使用できるのがBelkinブランドのものではないかということで探してみたところ、この製品が私の用途にぴったりだったので、少々高価格な製品ではありましたが、購入することにしました。その決め手となっているのが、Silicon Motionの技術により多画面出力を可能にするというものです。単にマルチモニタ出力を持つドックは珍しくないのですが、Windowsではそれぞれを拡張画面として使用できても、macOSではOSの制約で複製出力しかできないというものが普通らしいのです。それを裏技的な技術で可能にしてしまっているのがSilicon Motionということだそうです。
実際に接続してみると、確かに外部出力は2画面しか使えないはずのMacBook Airで外部に3画面、本体と合わせて4画面を独立して使うことができました。ただし実際には4画面も必要になることはないので、普段自宅ではいわゆるクラムシェルモードで使うことになります。しかし残念ながら、Windows PCをこのドックに接続してみると、ドックから出力される片方の画面でマウスカーソルだけが正常に表示されず、非常に使いづらいものになってしまっています。これはドライバーの問題なのかなんなのかわかりませんが、いずれソフトウェアアップデートで解消されることを期待したいものです。
このモニタ出力のための2つのHDMIポートの他は、USB-Aが2つ、USB-Cが2つ、ギガビットEthernetが1つ、そして電源用のUSB-C PDが備えられていて、必要十分な拡張性を得ることができると思います。私はこの下流にさらにUSBのハブを接続して色々接続していますが、安定性なども特に問題はなさそうです。このドックのおかげで本体にはこのドックの他に1台のモニタのためのUSB-Cを接続するだけとなっており、見た目にもスッキリして、着脱も簡単ということになっていて、非常に満足しています。
残る課題はこのドックをつけ外しするたびにウィンドウの配置が変わってしまうことですが、どうやらStayというアプリで解決されるようなので、ちょっと調べてみようと思っています。