台湾旅行にはまって何度も通っているという人は世の中でも少なくないようですが、そういった人たちが語る台湾の魅力として大きなものがグルメです。私も台湾で食べるものは何でも美味しくて大好きなのですが、そんな中でも台湾南部の街、台南はグルメの街として紹介されていることが少なくありません。これは台南のレストランが特に美味しいということではなく、台南名物や台南発祥とされる美味しい料理が多いということではないかと解釈していますが、そういった台南名物料理の一つが擔仔麵(タンツーメン、担仔麺)です。Wikipediaでは次のように説明されています。
担仔麺は台南市の発祥で、度小月担仔麺ともいう。現在台南の名物として知られているが、台北など他の場所でも広く食べられており、日本の台湾料理店でも定番のメニューとなっている。
一般に、小麦粉の中細のストレート麺を用い、スープに豚のそぼろ肉と海老、香菜、ニンニクソースなどがのっている。日本のご飯茶碗ほどの大きさの容器で出されることが多い。サイズや具のそぼろ肉は四川省の担担麺と共通しているが、スープの味は異なり、辛くない。
担仔麺は一般に価格の割に量が少ない。台湾語のいわゆる「食巧不食飽」(飽きずに美味しく食べて)を念頭に食べ飽きない量に調整されている。
ということで、この発祥の店とされる度小月擔仔麵のそのまた発祥の地に建っている老店に行ってみました。なお老店といっても開店当初のまま建っているというわけではなく、建て替えられているようで、小綺麗で高級感のある店内になっていました。また、注文もスマートフォンからするようになっていたり、いろいろ洗練された感じでした。
入口を入ってすぐの横の低い位置で麺を茹でている人がいてちょっと不思議な感じでしたが、それを横目に2階席に案内されました。注文したのは普通の擔仔麵と妻の米粉麺の擔仔麵、豚足の煮込み、龍鬚菜(ハヤトウリの若芽)の和風サラダ、杏仁豆腐ですが、注目はやはり擔仔麵です。まず、盛り付けがとても丁寧かつ上品で、60TWD (約300円)という値段のものにはとても思えません。食べてみても味付けが濃すぎずさっぱりしていて、これは非常に台湾らしく、これが私たちが今回台湾での最初の食事だったので特に「帰ってきた感」がありました。豚足も見た目の色の濃さの割に塩辛さはなく、プリプリのコラーゲンが良かったですし、初めて食べた龍鬚菜のパリパリした食感も楽しいものでした。デザートに追加した杏仁豆腐も杏仁の香りと黒糖のシロップのマッチが良かったです。
他にも魅力的な料理がいくつもあったので何度か通いたいくらいですが、面白かったのは4人家族用、6人家族用のセットメニューというのもあるところです。これが割安なのかどうかは計算していないのでわかりませんが、家族の注文を慌ただしい中考えるよりも、これ一発で済んでしまうというのは楽でいいかもしれません。擔仔麵の他にいくつかの料理がセットになっているものなので、毎回これでは家族も飽きてしまうかもしれませんが、最初の数回くらいはこれでもいいのではないでしょうか。
ちなみに、同じような「臺南度小月擔仔麵」の看板を掲げるまったく別の店もあるのでご注意ください。こちらはGoogle Mapsでの特に台湾人からの評価が低いようですし、店の内外装も少々小汚い印象で本物とは大違いです。どちらも同じ1895年創立と掲げていますし、どこかの時点で暖簾分けかお家騒動でもあったのかもしれませんが、正宗度小月擔仔麵餐廳本鋪の「度小月の沿革」にはそれらしいことは書かれていないので真相は不明です。

