イスラエルとアメリカによるイランへの攻撃に始まる戦争状態により、世界の石油供給事情が厳しくなっていることは、日本のガソリン小売価格の高騰からも実感されているのではないでしょうか。このいきさつなどについては様々な見方があると思うので不用意に触れないようにしたいと思いますが、戦争行為自体はあらゆる面で損失ばかりであり、何も生むものではないので、私個人としても強く非難したいものではあります。

それはともかく、今回の石油危機は過去最大級のものということで、IEA (国際エネルギー機関)から出された提言が「New IEA report highlights options to ease oil price pressures on consumers in response to Middle East supply disruptions」という記事になっています。IEAは2022年のロシアによるウクライナ侵攻の際にA 10-Point Plan to Cut Oil Useというレポートを発行しており、このとき提言した下記10項目を再度発表したような形になっています。

  1. 可能な場合には在宅勤務を増やす
  2. 都市において日曜日に自動車の利用を制限する
  3. 幹線道路の制限速度を引き下げる
  4. 公共交通機関の利用を安価にし、インセンティブを与える
  5. 徒歩や自転車の利用を促進する
  6. 自動車の相乗りを奨励する
  7. 都市部での自家用車の利用を制限する
  8. ビジネス出張を減らし、オンライン会議を増やす
  9. 航空旅行を控え、代替手段を利用する
  10. 物流および貨物輸送の効率を改善する

これらの内容は3番目を除けばどれも今回のような事態に限らず、常時実行すればいいようなものばかりだと思うのですが、資本主義社会ではそうもいかないものなのでしょう。在宅勤務については、私の勤務先では最近「コミュニケーションを活発化することでイノベーションが生まれる」というようなことで会社側は出社率を上げようとしているのですが、その状況もまた変わるのでしょうか。私自身は出社したとしても徒歩通勤なので、石油の消費にはほとんど影響しないのですが、特に自動車通勤がほとんどというような地域や企業の場合には影響が大きいでしょうね。

なお、この件について例えばNHKニュースでは「“高速制限速度10キロ引き下げ” 石油消費抑える対策提言 IEA」という記事になっていますが、この「高速道路」というのは意訳で、IEAはhighwayという言葉を使っています。日本ではハイウェイというと高速道路のことと思われがちですが、英語でhighwayというのは幹線道路、主要道路を表す言葉で、高速道路を指すものではありません。ただ、一般道の制限速度を下げても燃費効果はあまり見込めないので、高速道路のことを指しているのではないかという推測は可能で、あえて「高速道路」とわかりやすく表記している可能性があります。