IOC (国際オリンピック委員会)が新しい「IOC Policy on the Protection of the Female (Women’s) Category in Olympic Sport and Guiding Considerations for International Federations and Sports Governing Bodies」(PDF)という方針を発表し、LA28(2028年ロサンゼルスオリンピック)から女子種目では遺伝子検査を実施し、生物学的女性のみ出場可能とするとのことで、これは女子選手を保護するための決定とされています。

この方針により、今後のオリンピック種目ではトランスジェンダー女性は女子選手としては出場できなくなるということですが、トランスジェンダー女性は生物学的には男性であるため、身体的特性に差があって競技によっては有利な場合があり、疑問を感じる人も少なくなかったのではないでしょうか。また、同じシャワールームを使用することについて他の女子選手には抵抗があるという話も聞いたことがあります。

さらに、トランスジェンダーかどうか客観的な判断が難しく、透明性についても議論があったのではないでしょうか。男子としては平凡な選手でも、女子の中では抜きん出てしまうような場合もあるでしょうから、本当にトランスジェンダーなのだとしても疑惑めいたものが湧いてしまうのは避けられないと思います。

私自身はトランスジェンダーを否定するわけではないのですが、そもそも競技種目が男子と女子とに分かれているのは生物学的に差があるからのはずで、性自認とは無関係のはずです。そこに性自認を持ち込んでしまったのでおかしなことになっていたのがこれまでの状況ではないでしょうか。本当にトランスジェンダーに配慮するのであれば、ロッカールームを分けるとか、接触のある種目であれば種目をさらに分けるとか、別の対応が必要なのではないかと思います。

トランスジェンダーにも活躍の機会を、という声はあるかもしれませんが、トランスジェンダー男性についてはどうなのでしょうか。生物学的男性の中でトランスジェンダー男性が対等に競うのは難しい場合が多いでしょう。それを無視するというのは不公平ではないかと思います。

なお、この方針は遡及的に適用されるものではなく、またあくまでIOCのイベントに限ってのもので、草の根活動や娯楽としての競技には適用されないとのことですが、オリンピック以外の競技にも少なからず影響を与えるのは間違いないでしょうね。一方、プロスポーツでは元々主催団体がそれぞれ方針を定めているでしょうから、無関係でしょう。