イナゴの佃煮先日、80歳を過ぎて今なお元気な祖母がはるばる横浜から私の家に遊びに来たとき、関西ではどこの家でもイカナゴの釘煮を盛んに作っているが佃煮というのはあまりポピュラーではない、というような話から自由が丘デパートにある佃煮屋で売られていたイナゴの佃煮が好きだったという話になり、今もまだあの店があるのなら食べたいと言ったところ「それなら送ってあげるわよ」ということで、自由が丘に行く用があったからと送ってくれたものが今日届きました。

写真の通りモロにイナゴの形をしているので、虫ということをあまり意識しすぎると気持ち悪くなって食べられないという人も多いかと思いますが、食べてみると外側はカリカリ、中はジワッとしていてなかなか美味しいものです。私の妻も一匹つまんではみたものの、見た目が受け付けないということですが、子供たちは「ウマいウマい」とパクパク食べてしまいました。後ろ肢が口の中でチクチクして少々食べにくいのですが、それもまた良しということでしょうか。

虫を食べるなんて…とはいっても、小魚とそんなに違うものではありません。中途半端に身近で目にするバッタなどとよく似ているので抵抗を感じるのかもしれませんが、イカナゴなんてメダカやグッピーと似たようなものではないですか。Wikipedia「昆虫食」によればほかにも様々な昆虫を食べる文化があるようですが、まあ確かにどれも食べ物としてはあまり馴染みのないものばかりですね。

イナゴで慣れたというわけではありませんが結構ゲテモノも平気な私がこれまでに経験した中では、若かりし頃に友人らと食べに行ったトルコ料理で出てきたものが一番印象的です。トルコ料理なんて何を食べていいのかわからなかったのでお勧めコースを注文したのですが、そのオードブルで出てきたなにやらヒダヒダのある灰白色のもの。「何だろう?」と言いながらとりあえず食べてみてから店員に聞いてみると、「それは『ブレーン』といって、羊の脳です。」「…。」まさにそのまんまの答えに一同絶句でしたが、特に旨くもなく不味くもなく、非常に淡泊な食べ物でした。冒頭でそんなものが出てきてこの先一体何が出てくることやらと戦々恐々といったところでしたが、その後は至って無難なものばかりだったので今となっては全く記憶にありません。

ということで、ゲテモノ食いでない皆さんがエスニックなレストランでコース料理を注文するときは、その内容を十分に確認してからにしましょう。イナゴは決してゲテモノではないと私は思うのですが…