iOSのバッテリー結局何も解決せず…

年の瀬も迫った12月28日、多くのアメリカ人はクリスマス休暇の真っ最中のはずですが、Appleが同社ウェブサイトで「iPhoneのバッテリーとパフォーマンスについて、お客様にお伝えしたいこと」という発表を行いました。Appleがバッテリーの劣化したiPhoneについて意図的に性能を制限しており、バッテリーを交換すれば問題ないのにそれを公表せず買い替えを促すようにしている、として集団訴訟が起こされたことへの対応ですが、そのタイミングからどれだけ重要な問題と捉えられているかがわかります。

「予期しないシャットダウンを防ぐため」というのがAppleの説明ですが、それをユーザーに知らせず無断でやっていたのが大きな問題でした。ユーザーのためを思ってと言うなら、「低電力モード」というものもあるのだからそれを常時オンにできるようにしたり、現状と同様の動作になる別のモードを設ければ良かった話であり、かなりの悪手であったことは間違いありません。おそらくこのせいでまた何人もの首が飛んだり降格されたりするのでしょう。

この問題が大きな話になってきたことから今回の発表に至ったわけですが、Appleから提示された解決策はバッテリー交換の費用をUS$50減額することと、バッテリーの状態が見られるようにiOSをアップデートするということでした。しかし、意図的な性能制限は解除できないようなので、これまでどおりの性能で動作するようにするにはバッテリーを交換するしかないようです。

私のiPhone 6 Plusも最近バッテリーの持ちが悪くなり、問題のiOS 11にアップデートした時から明らかに性能の定価や動作の不安定さが感じられていたので、これは朗報と捉えていました。とはいってもアップルストア心斎橋まで行かないとないので面倒だなあと思っていたのですが、実は全国各地にApple 正規サービスプロバイダというものがあって、そこでも修理を受けることはできるのでした。そういえばそんな看板を見たことがありますし、iPhoneだけでも年間何千万台も売れているのですから、アップルストアだけで賄えるわけもありませんでした。ということで、私の自宅最寄りの窓口が駅前にあることがわかった、というか思い出したので、大晦日にウェブサイトから予約して、正月早々に対応してもらってきました。

なお、アメリカではすでに交換費用の減額が行われているそうですが、日本ではまだその対応は行われておらず、従来からの修理費用が必要なようです。しかし、わずか3000円ほどでバッテリーが交換できるとなればユーザーが殺到して窓口が非常に混雑することが目に見えているので、多少高くともそれには目を瞑って性能を取り戻したいというのが私の判断でした。

サービス窓口の方々の対応は終始丁寧で非常に気持ちよかったのですが、まず最初に私のiPhoneの診断を行ったところ、バッテリーの状態は「すこぶる健康」とのことでした。確かに私が自分でバッテリー診断アプリを使ってみた時にもそのような結果だったのですが、実際問題としてバッテリーの減り方は明らかに普通ではなく、私自身はその診断機能も正しく動作していないのではないかと疑っています。しかし、バッテリーを交換したとしても症状が解消するという保証がないというのは事実なので、今日のところは引き下がることにしました。完全初期化すればひょっとすると…とは言われましたが、その後バックアップから復旧してしまっては意味がないとのことなので、一からセッティングし直さねばならず、それはさすがに面倒なのでとりあえず今のまま使い続けることにします。

ということで、バッテリーを交換してまだしばらく粘ることができるなら今年秋の発売が予想されるiPhone Xの後継機に買い換えようと思っていたのですが、このままではあと1年近くも頑張れる気がしないので、近々iPhone 8 Plusあたりに買い換えることになるのではないかと思います。まあ、今回の措置ではバッテリーの状態にかかわらず交換を受け付けるという報道もあったので、キャンペーンが始まったところでまた窓口には行ってみることにはなるでしょう。