ドラゴンライダー2 エルデスト 宿命の赤き翼ちょうど一週間前に興奮と共に「エラゴン 遺志を継ぐ者」を読み終えたわけですが、その続編である「エルデスト 宿命の赤き翼」について「早速注文したいと思います」と書いた通りすぐにAmazonに注文して「エラゴン」の興奮が冷める前にと勢いで読み進め、今日先ほど読破してしまいました。

ドラゴンライダー2 エルデスト 宿命の赤き翼(上)
クリストファー・パオリーニ 大島 双恵
ソニーマガジンズ
売り上げランキング: 596
ドラゴンライダー2 エルデスト 宿命の赤き翼(下)
クリストファー・パオリーニ 大島 双恵
ソニーマガジンズ
売り上げランキング: 546

第2部である「エルデスト」は前作に比べて8割増し程度にまでボリュームアップし、上下巻に分かれたかなり読み応えのあるものになっているのですが、内容も非常に濃いものとなっていて飽きさせられることがなく、一気に読み進めることができてしまいました。物語は途中から複数の箇所の出来事が並行して進行するのですが、この辺りは指輪物語の影響が色濃いところではないかと思います。

しかし今回も読みながら気になってしまったのは映画版のことです。この第2部の進行の上で非常に重要な役割を担っているキャラクターの一人が、「エラゴン」の映画版で原作とは全く違う行動を取ってしまっているため、続編の映画化では辻褄が合わないことになってしまいそうなのです。これはおそらく第2部「エルデスト」の映画化でもストーリーが大幅に割愛されてごまかされてしまうということになるのでしょうが、物語の面白さを増し加えている重要な要素であるだけにとても残念なことです。ひょっとすると「エラゴン」の失敗で「エルデスト」の映画化はなくなってしまうのかもしれませんが…いっそのことその方がいいかもしれないとさえ思ってしまいます。

それはともかく、私が偉そうに言えるものでもないとは思いますが、ファンタジー小説としての出来栄えはとても素晴らしいもので、ファンタジーに馴染みのある人もない人も楽しめる娯楽作品としても良くできているのではないでしょうか。ハリー・ポッターよりも壮大なスケールで、指輪物語よりも読みやすく、ナルニア国物語よりもスリリング、ということで私はますますこのシリーズが好きになりました。

ただ残念なのは未だ第3部が刊行されておらず物語が完結していないことで、「(3巻に続く)」と締めくくられているにもかかわらず続きを読むことができないという苦しい状況に置かれてしまいました。原書ですら未だに発行されていないということは、日本語訳が発行されるのは一体いつのことになるのやら…発行日が決まり、近づいた頃に1部・2部をまた読み返す必要がありそうですね。まあそれはそれでまた新しい発見があって楽しかったりもするのですが。