暴君ハバネロ以前は辛いものが苦手で避けていた私もいつの間にか辛い物好きになってしまったのは本当に不思議なものですが、今でも「ただ辛ければいいというものではない」と思っているので、「うまさ」の伴わない唐辛子をやたらに振っただけというような激辛メニューなどには食指が動くこともありません。世界一辛いとされる唐辛子「ハバネロ」を使っているという東ハトの「暴君ハバネロ」もそんなものかと思っていたのでこれまで食べたことがなかったのですが、辛ウマという評判もあったので意を決し買って食べてみました。

店頭で袋を手に取ってみるとスナック菓子にしてはずいぶん小さく感じたので、こんなちょっとしか入っていないのか…などと思いながら買ったのですが、そんな風に思った私が愚かだったということは後で食べてみてわかったことでした。

世界一辛いというのはどれほどのものだろうかと恐る恐る食べてみましたが、最初の一口ではそれをどの辛さは感じられず、この程度ならばあっという間に一袋空いてしまいそうだ…と思ったのも束の間、食べてしばらくしてからなかなか強烈な辛さが襲ってきました。普段私はカレーなどは並の辛口よりも辛いものを食べたりしているのですが、このハバネロの辛さはその上を行くものでした。食べてしばらく経ってからもなかなか舌に感じる辛さは収まらず、和らげるために牛乳を飲むなどする始末です。

確かに美味しいとは思うものの、もっと食べたいという気持ちがあっても辛さに耐えることができず、ちょっと食べたところで「また今度」と袋を閉じることになってしまいました。結局、55gしか入っていないはずの「ちょっとしか入っていない」と思った袋を空にするのに4日ほどかかってしまいましたので、ある意味コストパフォーマンスは高いと言えます。

もともと「辛み」というのは舌の痛覚が刺激されて感じるものなので、きっと生き物としては避けるべき味覚なのですよね。それが人間の場合にはアドレナリンの分泌を促したり快感を導いたりするのだから不思議なものです。が、やはり食べ過ぎると内臓などにはダメージがあるようなので、過ぎたるは及ばざるがごとし、ということのようです。