藤田美術館と大阪市立東洋陶磁美術館

大阪市立東洋陶磁美術館 安宅コレクション今日の関西は朝からポツポツと雨が降っていて、昼過ぎからはまとまった雨となってしまうというあいにくの天気だったのですが、後輩Mに誘われて私一人M一家に混じって一緒に大阪に行ってきました。大阪は今週末当たりが桜の見頃ということで桜の通り抜けもこれまでで一番早い公開となっていたのですが、まず向かったのはそのすぐそばにある藤田美術館です。

この美術館は男爵であった藤田家の収集した5000点にも及ぶというコレクションを、空襲に耐えた美術品を収蔵していた蔵を改装して毎年春と秋に限って公開しているという私立美術館ですが、そのコレクションには国宝や重要文化財に指定されている非常に貴重な品々がいくつも含まれているということです。公開されているのはそのごく一部の数十点で順次入れ替えられているのですが、今回公開されているものの中での目玉と言えるのは、国宝に指定されている曜変天目茶碗というものです。見る方向により青や緑に色を変えながら光る文様が非常に綺麗なもので、いくら見続けていても飽きることがなく、まさに心奪われてしまう逸品でした。このほかの展示品についてもそれぞれ価値のあるものばかりなのですが、この曜変天目茶碗の前ではどうしても格の違いを感じてしまいます。

ということで、国宝の余韻を噛みしめながら次に向かったのは大阪市立東洋陶磁美術館です。こちらは戦前から戦後にかけて反映したものの最後は伊藤忠商事に吸収され消滅した安宅産業の安宅英一氏が中心となって収集した東洋陶磁コレクションの寄贈を受けた大阪市が設立した美術館で、ちょうど今日から「美の求道者・安宅英一の眼-安宅コレクション」と題された特別展が開催されています。藤田美術館の方は写真撮影禁止だったのですが、東洋陶磁美術館の方はフラッシュと三脚の使用は禁止されているものの写真撮影自体は問題ないということで、カメラを片手に気に入ったものの写真を撮っていきました。

こちらのコレクションにも国宝2点と何点かの重要文化財が含まれているのですが、全体的にレベルが高く、また展示点数もかなり多く圧倒されてしまいます。引き込むような魅力を湛えたものが多く最初は一点一点丹念に見ていくつもりだったのですが、そのレベルを維持したままいつまでも続いているようだったのでとても見きれないということで、途中からは特に惹かれるものを重点的に見ていくことにしました。中でも注目はやはり国宝の2点、油滴天目茶碗飛青磁花生ですが、特に見事だったのは油滴天目茶碗で、曜変天目茶碗に勝るとも劣らぬ魅力を湛えていました。またその他の展示品もそれぞれ非常に魅力的なものが揃っていて、私の心に響くものもいくつも見付けることができました。

ということで今日はとても人間的な豊かさを感じることのできるような、充実した一日を過ごすことができたような気がします。もともと私自身は陶磁器に特に関心があったわけではなく、「国宝に指定されているというものがどれほどのものなのかはわからないかもしれないけれど、少なくとも一見の価値はあるだろう」という程度のものだったのですが、やはり価値のあるとされているものには理屈を知らなくても心に響くものがある、ということを再認識することができたように思います。それにしてもこれだけのものが大阪にあるということにも驚きを禁じ得ませんが、東京よりもむしろ大阪の方が個人の力は強かったのかもしれません。

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