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日光 輪王寺大猷院と東照宮

金獅子通勤電車で行く世界遺産

私は少年時代の多くを東急田園都市線沿線で過ごしていて、また現在も両親が沿線に住んでいるのですが、その田園都市線も半蔵門線の延伸に伴いいつの間にか東武伊勢崎線に乗り入れるようになり、久喜行きやら東武動物公園行きやらという私には馴染みのない行き先表示の列車が当たり前のように走り抜けるようになりました。ふと「これに乗っていったらどこへ行くことができるのだろう?」と調べてみると、東武動物公園で日光線に乗り換えると日光まで行けてしまうということがわかり、半ば思いつきで母を誘って小学校の修学旅行以来の東照宮を見に行ってみることにしました。

東武日光までは急行や快速を乗り継ぎ3時間以上もかかってしまいましたが、同じホームでの乗り換えばかりだったので家の最寄り駅から電車に乗っているうちに観光地に着いてしまうというちょっと不思議な感覚でした。聞けば私の母も小学校以来ということで、中途半端に近いとなかなか行かないものですが、首都圏からは最も近い世界遺産ではないでしょうか。このところ石見銀山原爆ドーム、厳島神社と世界遺産巡りが多い私も関東以北にはなかなか行けず、今回モーターショーのために上京したのはいいチャンスでした。ちょうど紅葉のシーズン真っ盛りということで週末ともなると観光客でごった返し、いろは坂は大渋滞が必至だったのでしょうが、私たちが行ったのは11月2日の金曜日だったのでご老人と修学旅行生のほか外国人が目立ち、適度な賑わいでした。

東武日光駅に到着するとまず駅舎内の観光窓口で世界遺産めぐりバスのパスを500円で購入しました。このパスでは駅と社寺の間を巡回している「世界遺産めぐりバス」などに一日自由に乗り降りできるのですが、駅から東照宮の辺りまでの片道でも300円ということなので往復乗ればそれだけで元が取れるようです。駅から東照宮などまでは1km以上離れている上に緩い上り坂になっているので、行きだけでもバスに乗った方が良いでしょう。また、同じ窓口で2社1寺の共通拝観券も購入しました。

日光を訪れる観光客のほとんどはやはり東照宮が目当てのようで、満員だったバスも東照宮のそばで皆降りてしまったのですが、それには構わず私たちはその先の輪王寺大猷院まで一気に進みました。これは単に一番奥から降りていった方が楽だろうということだったのですが、実はこれには一つ落とし穴がありました。というのは、駅で購入した共通拝観券というのが実券ではなくクーポンで、先に東照宮の前にある共通拝観券売り場で引き替えなければならないということだったのです。購入したときには「最初に入るときに換えてもらってね」ということだったのですが…ただ、これを知ったのは大猷院の窓口だったのですが、「ここは特別に入れてあげるから次のところに行く前に引き替えてね」と入れてくれたので実際には問題はなかったことになります。

それはさておき、この最初に見て回った輪王寺大猷院が実に素晴らしいものでした。多くの観光客が東照宮だけ見て帰ってしまっているのか人が多すぎることもなく、静かな空気の中でゆっくりと味わうことができるのも良かったのですが、かといって東照宮と比べて見劣りがするのかというとそんなこともなく、豪華絢爛で煌びやかな東照宮と比べると若干控えめながら重厚で趣のあるものになっています。こちらも国宝・重要文化財が目白押しですから、見逃してしまうのは実にもったいないと思います。

クーポンの引き替えの件もあるので次は東照宮へ向かったのですが、大猷院から東照宮までの下新道という杉並木の通り道もなかなか味わいがありました。背の高い杉の大木が立ち並び日差しが遮られているため、苔が青々と目に鮮やかで、流れる水の音も耳に心地よく、大いにリフレッシュすることができました。

東照宮に着くとここはかなりの賑わいを見せていて、バスツアーの団体客なども目立っていました。日光といえば東照宮、東照宮といえば陽明門と三猿、眠り猫といったところなのでしょうが、確かに陽明門は見事なものですし、三猿も興味深いものではあるのですが、大猷院を満喫した後ではその感動も今一つでした。どうも東照宮の方はいかにも観光名所になってしまっていて、味わいというものがないような気がするのです。逆の順序で見たらどうだったのだろうかという気もするのですが…その方が良かったのかもしれませんね。

このあと、日光の2社1寺のうち二荒山神社の方は残念ながら時間切れで今回は諦め、ちょっと遅めの昼食を日光ゆば遊膳という創作ゆば懐石の店で摂りました。湯葉も日光の名物ということで他にもいくつも湯葉料理の店があったのですが、持参していたガイドブックで見て何となく決めたのが正解でした。昼から私にとってはかなり贅沢なものを食べてしまったのですが、湯葉づくしの中でも特に美味しかったのが湯葉の揚げ出しで、揚げ出し豆腐とは違い弾力のある湯葉の食感が新しく、素晴らしいものでした。

ということで色々満喫したところで帰宅の時間が迫ってきたので、お土産に湯葉と羊羹を買いながら駅へ向かったのですが、結局渋滞する車を横目に下り坂を歩いているうちに駅に着いてしまい、せっかくバスの一日券を買ったのにという気もしないではありませんでした。まあバスを待つよりも結果的に早かったはずなので良いのですが…

日光からの帰りはスペーシア特急きぬに乗ったのでようやく「旅行に行ってきた」という気になりましたが、特急を北千住で降りて中央林間行きの急行に乗り換えるともうそのまま家の近くまで帰れてしまうので、やはりどうも不思議な感覚です。時間はそれなりにかかっているので遠いような、でも乗り慣れた電車なので近いような…まあでも思っていた以上に楽しめたので、今回残してしまった二荒山神社もありますしまた近いうちに行ってみたいと思います。

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