いくら新しもの好きでもこんな新型は嬉しくない。
メキシコで数十人規模の死者が出たことで「新型インフルエンザA H1N1」が一気に大騒ぎになったのはわずか半年前の今年4月のことでしたが、気候の関係で騒いだ割にはその頃は広まらずに済んだため、すっかり落ち着いてしまったようです。ワクチンの開発が完了し、最近になって摂取の優先順位がようやく決まったりしていますが、一方で新聞紙上には「何人目の死者」というような記事が淡々と掲載されつつも注目を浴びることもなく、大騒ぎしたときのメキシコの死亡者数にいつの間にか並びつつあります。本当にあれはただの集団ヒステリーでしかなかったのでしょう。
しかし脅威は着実に迫っていました。例年インフルエンザが流行するのは秋から冬にかけてのこの時期ですが、私の住む地域では今年は新型インフルエンザが猛威を振るっています。今さらワクチンを接種したところでとても間に合いそうにないスピードで感染が広がっていて、近隣の小学校でもあちこちで学級閉鎖となっていたのですが、ついにその波が我が家にも襲ってきました。
日曜日の昼頃、外出先で長男が急に身体のだるさを訴え始めたと思ったら、夕方過ぎには38.4℃と発熱していました。状況から見てインフルエンザであることは間違いなさそうでしたが、翌月曜日の朝になってから内科に連れて行ってみるとやはりインフルエンザA型、そしてこの時期のA型はまず新型だとのこと。ついに来てしまったかという感じでしたが、長男の学年はこの日1/3ほどの児童がインフルエンザで休みだということで、週末まで学年閉鎖になってしまいました。ちなみにこの日、私は酷い頭痛で休暇を取り、一緒に寝込んでいました。
そして火曜日、未明から今度は次男が発熱し、案の定インフルエンザに感染していました。頭痛は治りきってはいないものの2日続けては休めないからと私は無理やり出勤しましたが、子供が2人ともインフルエンザにかかってしまっては自分も時間の問題だろうと半ば冗談、半ば本気で言っていましたが、周囲の人の目は笑っていませんでした。10時頃からは本当にやばそうだと思いマスクをして過ごしましたが、手遅れでなかったかどうかが心配です。次男を医者に連れて行くときに、親用にもタミフルを処方してもらうよう妻に頼んでおいたので、用心して飲んでから寝ました。
明くる水曜の朝、熱っぽく感じながら6時に目を覚まして体温を測ってみると37.8℃と発熱があり、インフルエンザにしては低めながらもこの状況で他の病気にかかるとも思えず、とりあえず職場の上司に「今週いっぱい休む」との連絡を入れ、医者に行く前にもう一度検温すると今度は37.0℃。いったいどうなっているのかと思いながらも、何でもないのに37.8℃にも発熱するはずもないので念のためインフルエンザの検査をしてみるとやはりA型とのこと。医師曰くタミフルを飲んでいたから抑えられているのだろうとのことで、わずか1錠のタミフルでこれほどの効果があるとは恐れ入りました。もちろんその後は寝て過ごしましたが、それほど熱が上がることもなく、時折出る咳とマスクが息苦しいくらいのものです。ちなみに長男はこの日午後から熱が下がって元気を取り戻しつつありました。
木曜日になると次男の熱も下がって賑やかになってきましたが、朝イチで測った私の体温も笑えるほど低くなり36.0℃。実際次男は体温計のその数値を見て吹いていました。とはいえまだ身体のだるさは抜けていないので治ったというわけではなかったと思い、この日も横になって過ごしましたが、頭痛が治ったこともあってぐっすり眠ることまではできませんでした。
そして今日金曜日ですが、検温するのもバカバカしいほど体調は良くなりましたが、昼間無理して寝たせいか夜に寝付けず、それがあまりすっきりしない程度です。ただ、咳がまだ残っていますし、たとえ治ったのだとしても職場にウィルスを広めてしまうわけにもいかないので、今日も休暇にしてその代わりに人の少ない明日土曜日に出勤することにしました。子供達もすっかり元気になってしまったので暇を持て余しているようですが、熱が下がってから2日休むというのが指針のようなので仕方ありません。まあどうせ長男の方は学年閉鎖なのですが。
ということで、私は新型インフルエンザにかかったにしてはかなり楽に治ってしまったのですが、こうなると逆に心配なのがちゃんと免疫を獲得することが出来たのかということです。せっかく感染したのだからここで免疫を得ておかなければもったいない、というより無意味なので何とかモノにしているといいのですが…この冬もう一度感染したら上司にもさすがに怒られますからね。
そしてもうひとつ、ここまで妻のことに全く触れていませんでしたが、恐ろしいことに家族4人中3人が感染しているという状況の中で、タミフルに頼ることもなく天然の免疫力と気力とマスクだけで無事に切り抜けてしまったようです。さすがによく寝ているだけのことはあるな…ではなく、やはり「母は強し」ということなのでしょうか。男3人がだらしない中、しっかり家族を支えてくれたことには感謝するしかありません。ってここに書いても読まないんですけどね。