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そのときは彼によろしく (2007年の映画)

突然こんな美女が現れたら…

本当に自分でもどうかしているというくらい長澤まさみの映画ばかり観ている私ですが、いかに活躍している女優だと言っても遠からずそのネタも尽きるでしょう。ただ、テレビドラマにまで手を伸ばしてしまうとまたキリが無くなりそうで怖いですが、今のところその予定はありません。

ということで、今度観たのは映画「そのときは彼によろしく」です。

そのときは彼によろしく

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この作品は同名の小説を原作にしたもので、大きくアレンジされてはおらず、基本的には忠実に映画化されているようです。

そのときは彼によろしく (小学館文庫)

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水草専門店を営む主人公、智史のもとにある日森川鈴音と名乗る美女が訪れ、アルバイトとして住まわせてほしいと頼まれ、それを受け入れると…とネタバレを避けるとこんなものしかかけませんが、物語としては前後編に分かれるようなものになっています。ただ、それもどう別れているのかを書くわけにも行かないのでなかなかもどかしく、こうして記事にするには向かない作品なのかもしれません。

智史を演じているのは山田孝之、そして鈴音を演じるのはもちろん長澤まさみということになりますが、この組み合わせは昨年公開された「50回目のファーストキス」で再現されることになります。この11年後の作品ではその間に特に山田孝之の方が年齢を重ねてダンディーな感じになっているようですが、本作ではまだ20代半ばの若く未熟な若者の役柄です。なおここで未熟と言っているのはあくまで役柄のことで、演技についてそのように感じることはありません。長澤まさみについてはこういう役をさせたら本当に上手いとしか言えません。明るくキュートでゴージャスで、それでいて憂いのある女性というのは彼女そのものなのではないかと思ってしまいます。

しかし、脚本の方はちょっと引っ張りすぎているような気がしてしまいました。もう少しコンパクトに纏めた方がより締まって良かったように思います。これで終わるのかな、と思ったらまだまだ続いたという感じで、決して退屈というわけではないのですが…まあ素人の私が言うだけなら簡単なのでしょうが。

君の膵臓をたべたい (小説と実写映画)

どちらが良いでしょうか。

先日読んだ「世界の中心で、愛をさけぶ」のレビューの中に、「キミスイが第二のセカチューと形容されがちだがキミスイの方がピュアな恋愛(青春)を描いており個人的には好きだった。」というものがあってちょっと気になっていたのですが、「君の膵臓をたべたい」を読んでみることにしました。この作品は最近実写映画やアニメ映画にもなっていて私も知っていたのですが、例によって天の邪鬼な私は流行りものを避けてしまっていたのでした。

君の膵臓をたべたい

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病に冒され死に瀕する人気者の女子クラスメイトと平凡な主人公の男子高校生という設定はセカチューと共通するものですが、その雰囲気は大きく異なります。セカチューの方は重苦しい雰囲気が常に漂っていましたが、本作では膵臓の病気で余命一年という桜良(さくら)が明るく振る舞っているだけでなく、主人公の春樹が淡々と接しているためか、それが良いかどうかは別として、少なくとも桜が元気なうちは悲壮感は感じられません。

この作品は文章としては春樹の一人称で語られているのですが、相手に呼びかけられるときは名前ではなく、「【秘密を知ってるクラスメイト】くん」であるとか「【地味なクラスメイト】くん」、「【仲良し】くん」というような表記になっています。最初はこれをどう捉えたら良いのか分かりませんでしたが、そのようなニュアンスを込めて名前で呼びかけているということなのだろうと解釈することにしました。

果たしてセカチューより良かったかというと、私自身の好みとしてはセカチューに軍配が上がります。時代設定が私の青春時代に近かったということもありますが、本作はやはりちょっと軽いというか、より若者向けのように感じました。とはいえ、悪くはなかったのでせっかくAmazon Prime Videoで無料で観られるようになっていたので、実写映画の方も観てみました。

君の膵臓をたべたい

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この作品はかなり原作に忠実に映画化されているように感じましたが、原作には登場しない大人になった主人公の思い出として描かれるというのもセカチューと共通です。その大人になった春樹を演じているのは小栗旬なのですが、地味な春樹を素朴な感じで演じていてとても好ましかったです。また、桜良役は浜辺美波ですが、彼女も東宝シンデレラオーディション出身というのはセカチューの長澤まさみとの共通点ですね。なお、私は原作で特徴的な表記になっていた春樹の呼び方が映画でどうなっているのかにも興味がありましたが、これは普通に「君」でした。さすがにどうしようもないですね。

ところで、実はWikipediaのページはネタバレになっていて、核心であるべきことがズバリ書かれてしまっています。私は原作を読み進めている途中でうっかりこれを見てしまってかなりがっかりしたので、皆さんには気をつけていただきたいと思います。Amazonのレビューでも書いてしまっている人がいますが、そこがこの作品の一番のポイントであるのに、それを安易にばらしてしまうというのはどうなのでしょう。本来、レビューというのは購入を迷っているような人が参考にするためのものではないのでしょうか。私も今後は本を読み終わるまで、映画は観終わるまでWikipediaは見ないようにします。

世界の中心で、愛をさけぶ (小説)

映画とはまた違う良さがあると思います。

いいおじさんが青春純愛小説なんて、という声もあるとは思いますが、先日観た映画「世界の中心で、愛をさけぶ」の余韻を失わないうちに、図書館で原作の小説「世界の中心で、愛をさけぶ」を借りてきて読んでみました。実際に私が読んだのはハードカバーの単行本ですが、206ページしかないのでかなりあっさりと読むことができます。

世界の中心で、愛をさけぶ 小学館文庫

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原作とされる本作を読んでみると、主人公朔太郎の高校生時代に恋人の亜紀が白血病に侵されて亡くなる、という大筋の展開は本作から変わらずに映画化されていたのですが、それ以外の部分についてはかなり大掛かりに変更が加えられ、よりドラマティックになって感動的な物語になっていたということが分かりました。最も大きな違いは、映画では重要な役割を果たしていたカセットテープが原作には登場すらしないことでしょう。その他、写真館の重じいではなく朔太郎の祖父だったり、オーストラリアには亜紀の両親と亡くなった直後に行っていたり、と細かいところまでかなりの相違がありました。

となると、映画を思い出しながら間違い探しというか、原作のこれは映画の何に相当するのだろうかというようなことを考えながら読むことになってしまい、感動の物語に没入することができなかったような気がします。最近頓に涙腺が緩んできた私も、本作では目頭が熱くなるようなことがありませんでした。とは言っても、短いながらもいろいろ考えるところはある話であり、良くなかったというわけではありません。

しかし残念ながら、Amazonでの評価はあまり良くない、というか低評価を付けている人が多いようです。低評価のコメントを総合すると「かなり売れているようだから読んでみたけれど字数が少なくて子供向けっぽく、感動するようなものではなかった」「ドラマと比べるとしょぼかった」ということになるかと思いますが、それは文章から情景を想像力で膨らませることのできなかった人、本を読み慣れていない人の言葉なのではないかと思います。本当にそうなのかどうかは分かりませんが、私は短い中にしっかりとした物語があって良かったと思いました。

なお、本作には次のような表現があり、私はめったにしないことですが、思わず書き留めてしまいました。

悲しいからではない。楽しい夢から悲しい現実に戻ってくるときに、跨ぎ越さなくてはならない亀裂があり、涙を流さずに、そこを越えることができない。何度やってもだめなのだ。

どうでしょうか。私はこれだけでも読んだ価値があったと思いました。

ということで、妻にも本作を勧めてみたのですが、妻はドラマ版で満足したからと言って読もうとしません。ドラマでは綾瀬はるかが亜紀を演じているということですが、11回も続いたということはさらに膨らませてあるのでしょうね。私も一度は観てみるべきかもしれないと思い始めていますが、今から観るのに良い方法は何なのか、それを調べるところから始めないといけません。