よく考えましょう。
アメリカなど海外にいる人から日本とその周辺の東アジアの国々を見て異様に感じるのが、街中でのマスク着用率の高さです。花粉症に悩まされている人がとても多く、マスクがその有効な対策であるということはありますが、花粉のない季節でも一年中着用している人もいます。特に最近はマスメディアが新型コロナウイルス(2019-nCoV )の恐怖を煽り続けているためマスクが極端に不足しているようですが、本来マスクというものはすでに感染している人が周囲に撒き散らさないように着用すべきもので、本当に必要としている人々に行き渡らないのでは本末転倒です。また、このせいで花粉症の人々も大変なのではないでしょうか。
マスクの使い方については世界保健機関(WHO)もNovel Coronavirus (2019-nCoV) advice for the public: When and how to use masks (新型コロナウイルスに関する勧告: マスクをいつどのように使うか)というコメントを発表しています。曰く、
- あなたが健康な場合、新型コロナウイルスの感染が疑われる人の世話をするときにだけマスクが必要です。
- 咳やくしゃみが出るときにはマスクを着用しましょう。
- アルコールベースのサニタイザーや石鹸と水で頻繁に手洗いする場合にだけマスクは有効です。
- マスクを着用する場合、正しい使用と廃棄の方法を知らなければなりません。
ということなので、効果がゼロとは言わないまでも、ただ着用すればいいというものではないということ、マスクよりも手洗いの方が重要で効果的ということです。ウイルスは花粉よりも遥かに小さいのでマスクを素通りしてしまうのですが、ウイルスを含んだ唾液の飛沫は食い止めることができるため、感染している人が使用すべきものなのです。なお、「風邪予防は手洗いうがい」とも言われますが、うがいよりも水を飲んで胃酸で殺菌するほうが簡単で確実なので、アメリカでは頻繁に水を飲むことを勧められましたし、うがいをしている人を見たこともありません。
ところで、煽るばかりでちゃんと伝えられていないような気がするのですが、コロナウイルス自体は一部の風邪の病原体でもあり、特に珍しいものではありません。「新型」というところが重要なのに、それを省略して単に「コロナウイルス」と称するのは適当ではないと思います。また、対策についても通常の風邪予防と同じような方法が有効なのではないでしょうか。SARSやMERSもコロナウイルスの一種なので油断は禁物かもしれませんが、手洗いを励行し、むやみに手を口や目鼻など顔の粘膜に近づけない、定期的に水を飲んで喉を潤し病原体を流す、しっかり睡眠をとって免疫力を高める、といった一般的な対策がまず取るべきものでしょう。
日本では人々がこういった対策を意識するようになったことで例年より大幅にインフルエンザの患者数が減っているという報道もありましたが、一方でアメリカではインフルエンザが大流行しており、患者数2200万人超、死亡者数も12000人を超えたということで、新型コロナウイルスなど目ではないほどの猛威を振るっている状況です。アメリカでは一般の薬局でも簡単に予防接種を受けられるようになっているのにこの状況というのは、きっと満足な健康保険に加入できないでいる貧困層が中心なのではないかと想像していますが、こちらにも注意が必要なのではないでしょうか。