めがね自分には黄昏れることができるのでしょうか…

元々映画はほとんど洋画ばかりを観てきた私ですが、「ホノカアボーイ」を観てから「案外邦画もいいかもしれない」と思い始め、それから観た「かもめ食堂」にも洋画にはない良さがあるなあと感じることができました。ということで、次に「かもめ食堂」と同じく荻上直子監督で小林聡美もたいまさこが主演の作品「めがね」を観てみることにしました。

めがね(3枚組) [DVD]
主演:小林聡美
VAP,INC(VAP)(D) (2008/03/19)
ISBN/ASIN:B00120HXCU

美しい海に囲まれた小さな島に、春先に訪れた一人の女性が、のんびりした奇妙な生活を送る島の人々に最初は抵抗を感じるものの、次第に居心地の良さを感じるようになる…というような話なのですが、大した起伏もなければオチがあるわけでもなく、観ている方ものんびりした空気に飲まれるようにすると心地よくなる、という映画なのでしょう。

ここが見どころ、というようなものは特にありませんが、そんな中でも青い海の美しさは素晴らしいものです。実際の撮影は与論島で行われたそうですが、Wikipediaに載っている上空からの島の写真を見てもわかる海岸沿いの浅瀬のコバルトブルーの美しさは映画の中でも印象的に描かれています。

結局、島の人が何をするでもなく過ごし黄昏を楽しむように、映画を観る人もその雰囲気に浸ればよいのでしょう。仕事や家事に追われる毎日を過ごしている私達には何もせず何も考えずに過ごすということはむしろ難しいことになってしまっていますが、こういう携帯電話も使えないようなところに行ってただひたすらのんびり過ごすというのが本当のリフレッシュになるのでしょうね。離島で何日も過ごすというのはなかなか贅沢でできないことですから、せめて映画で疑似体験できればいいのですが…インターネットに繋がらないことにストレスを感じているようではダメですね。

ちなみに作品タイトルの「めがね」ですが、これには特に意味がないというのも驚きです。何かストーリーに関係があるのか、どこかのシーンで印象的に描かれるのかと思ったのですが、単に「スタッフ、キャストがみんな眼鏡を掛けていたから」とは…確かに主要人物5人がみな眼鏡を掛けているのはちょっと気になるといえば気になります。かつて海外では日本人の特徴として眼鏡と出っ歯が強調されていましたが、最近はコンタクトレンズの人が多くなりましたから、ここまで揃うのは珍しいのかもしれません。それでもそれをタイトルにするなんて…