The Twilight Saga: New Moon原作にはかなり忠実。

Stephenie Meyerによる一風変わったラブロマンス小説シリーズの「トワイライト」は、一部ではハリー・ポッターをも凌ぐ人気だということです。その映画化シリーズ第一作「トワイライト~初恋~」は日本での興行成績はそれほどでもなかったようですが、映画ファンの間での作品に対する評価はなかなか高いもので、英米では大ヒットとなっていました。

そのシリーズ第二作となれば自ずから世間の期待は高まるものですが、蓋を開けてみれば爆発的な大ヒットとなり、売り上げで全米史上3位という記録を打ち立ててしまいました。公開後最初の週末の記録なので、この人気がいつまで持続するものかで本当の実力がわかるのだろうとは思いますが、ファンの期待の高さと、そのファンの数自体が相当なものであることは疑う余地がないのではないでしょうか。

実は今回は第一作から監督が交代しているということもあって、私自身は少々不安を抱きながらではあったのですが、さすがにこれを見逃すわけにはいかないということで公開初日の昨日、「ニュームーン/トワイライト・サーガ」を観に行ってきました。またいつも通りレイトショーに一人で行ってきたわけですが、席について周りを見渡すと目に入るのはカップルか若い女性同士のグループばかりで少々居心地の悪さを感じないでもないものの、そんなことを気にしていては負け、周りにどう思われようが知ったことではありません。

さて、上映が始まってすぐに感じたのは、前作のブルーがかった暗い映像とは打って変わって明るく鮮やかなものになったということです。あの色調こそが作品全体の雰囲気に大きな影響を与えていたのは間違いありませんが、これは監督が代わったことによる最も端的な違いでしょう。その他の部分でも全体的にアクション的な要素が強くなっていたり、衣装や小道具に色鮮やかなものが選択されていたりと、作品自体のターゲットからして変わっているのではないかと感じました。もしも一作目からこの監督による演出であったら、私のこのシリーズに対する捉え方も大きく違ったかもしれません。
Ashley Greene as Alice Cullen
一番残念なのは、映像が明るくはっきりしたものになってしまったおかげで、ヴァンパイアたちの顔が白く塗ったようにしか見えず、「美しい」とは形容しがたいものになってしまっていることです。主人公Bellaの恋人Edwardもおしろいを塗ったのか蝋人形なのかというような人工的な外見になってしまっているのですが、ひょっとしたら実際にヴァンパイアがいたらこんな感じなのでしょうか。そういえば心臓が停止しているという点ではゾンビと同じですからね…

とはいっても、私の一番のお気に入り、Ashley Greeneが演じるAlice Cullenは可愛くてどうしようもありません。見た目も仕草もキャラクター設定もまさに私のツボを突いてくるので困ってしまいます。私もこんなコに翻弄されてみたい…というのはオッサンの妄想ですのでこれくらいにしておきましょう。

ところでもう一つ気になってしまったのはCGのオオカミたちです。どうも正面から見た表情が不自然なんですよね… やはり写実的に動物を描くというのは今でも難しいのでしょうか。CGで描く以外にはどうしようもないところだとは思いますが、このオオカミたちが自然に描けないことにはこの作品自体のシリアス度合いが変わってきてしまいますから、少々予算をつぎ込んででも頑張って欲しいところです。

ということで全体的に辛めの評価になってしまっていますが、どうしても期待が大きかったのでこうなってしまっただけで、実際には十分に楽しむことができました。原作を読んでいないとわかりにくいところがひょっとしたらあるのかもしれませんが、逆にこの映画を気に入った人にはぜひ原作も読んでみるといいのではないでしょうか。

ちなみに今回勢いでパンフレットを買ってしまったのですが、これはちょっと…購入前にはよく確認することをお勧めします。

ニュームーン/トワイライト・サーガ
アーティスト:サントラ
ワーナーミュージック・ジャパン (2009/11/25)
ISBN/ASIN:B002QVBX8E