かもめ食堂フィンランドの位置をはっきり言えますか?

先日、といっても今から半年ほども前のことになりますが、友人M嬢と会った際に何の流れか急に振られた映画の話で、「最近観た『かもめ食堂』がとてもいいから」としきりに勧められ、確かに話を聞いてみると面白そうにも思えたのですが、あまり邦画は観ないので何となくそのままになってしまっていました。しかし先日「ホノカアボーイ」を観てみてなかなか楽しめたので、これなら結構いけるかもしれない、ということでようやく観てみることにしました。

かもめ食堂 [DVD]
監督:荻上直子
バップ (2006/09/27)
ISBN/ASIN:B000ELGLDA

舞台はフィンランドの首都ヘルシンキ、その街角にある日本食の小さな店、かもめ食堂です。そして登場人物はこの店を営むサチエと、様々な事情を持ちこの店にやってくる客数人で、日本の映画であるにも関わらず出演する日本人はサチエ、ミドリ、マサコの3人だけです。

この3人を演じているのが小林聡美片桐はいりもたいまさこという個性的な女優たちなのですが、やはりただ見た目がいいだけの連中とはさすがにひと味もふた味も違います。中途半端な俳優では白々しくわざとらしい演技になってしまうところがちゃんとした形になってしまうというのは、まさにこれこそ「演技」というものではないかと多少大げさなことを考えてしまいました。

この映画のもう一つの特徴は、このかもめ食堂で出される料理です。フードスタイリストとして飯島奈美氏が手掛けているというテリテリ光った生姜焼きやいかにもサクッと軽そうな豚カツなど、今にもいい香りが漂ってきそうで見ているだけでお腹が空いてきてしまいます。飯島氏は様々な映画で活躍しているようで、この飯島氏のファンというのも主婦層には多いようです。フードスタイリストに相当する職業なら小道具の一部門として昔からあったでしょうが、こうして注目されるようになったのも映像が鮮明化して「美味しそう」なことが伝わるようになったからでしょうね。

結局ストーリーとしてはそれほどどうということもない映画ではあるのですが、この映画を観てまた今度はフィンランドに行きたくなってしまいます。しかし、北欧の夏しか見せないというのはちょっと反則ですよね。フィンランドに限らず北欧の冬なんて寒くて夜が長くて大変なところだと思うのですが、まあそれがあるからこそ短い夏を存分に楽しもうという空気になるのでしょうから、暮らしてみればそれほど悪いものではないのかもしれません。とはいえ、いつかは行ってみたいものですが、やはり最初は夏でしょうね。