Google日本語入力今更感たっぷりではありますが…

今週一週間は勤務先の研修出張があったので、新幹線に乗って行き東京近郊に滞在していました。その間、あまり自由にインターネットに接続できる環境になかったのでこのブログの更新も滞っていたのですが、実はその前にせっかく東京に行くのだから、ということで色々予定を入れていたので、その一つについて書いておきたいと思います。

Googleが開発している日本語入力プログラムであるGoogle日本語入力については以前書きましたが、その後も着実に進歩を重ねていて、すでに変換精度はATOKに引けを取らないレベルに向上してきているのではないでしょうか。私はすでにATOKを捨ててGoogle日本語入力を常用するようになっており、また先日購入したMacBook Proにもインストールして愛用していますが、そのGoogle日本語入力の技術とソースコードを開発者が自ら解説してくれるという「Google日本語入力 TechTalk 2010」というイベントが折しも出張直前の土曜日に開催されるということだったので、それを知るやいなや申し込みしてしまいました。ただ、会場の制約により

大変恐れ入りますが、お申し込み多数の場合には、ソフトウェア開発関係の方を優先させていただいた上で、抽選とさせていただきますので、ご了承ください。

ということだったのでやきもきしてしまいましたが、無事に参加証がメールで送られてきて参加することができました。

会場は六本木ヒルズにあるGoogle東京オフィスで、六本木ヒルズに行くのも3度目くらい、もちろんオフィス棟に立ち入るのは初めてだったので勝手がよくわかりませんでしたが、2階のロビーで参加証のQRコードを提示して入場シールとネームタグを受け取り、エレベーターに乗ってGoogleのオフィスに向かいました。入り口では飲み物が配られましたが、2時スタートだというのに缶ビールや缶チューハイもあったのはどういう事なのか未だに理解できません。アルコールの飲めない私はもちろんそれらには目もくれず、ウーロン茶にしておきました。

座席にはGoogleの白い封筒が置かれていて、その中にはGoogle日本語入力を解説する冊子が入っていました。40ページほどのコミック仕立てのものですが、誕生の背景から技術的な内容まで当日の話の内容の多くがわかりやすくまとめられていて、とても面白くためになるものになっています。これはウェブでも公開されていますので、興味のある方はこちらをご覧になるとよいでしょう。

当日は4部構成になっていて、

  1. Google 日本語入力ができるまで
  2. Google 日本語入力の設計概要
  3. Mozc ソースコードレビュー
  4. ライトニングトーク

ということになっていました。前2部は開発の中心となっている小松氏と工藤氏のお二人が主に話をされましたが、お二人とも話がとても上手く、またGoogle日本語入力にかける愛情が伝わってくるようでした。ソースコードレビューについては環境などのちょっとした説明のみでソースコード自体にはあまり触れられなかったのですが、あまり深いレビューが行われてもついていけなかったと思うので、逆にホッとしてしまいました。

ライトニングトークというのは一人5分の持ち時間でプレゼンテーションを行うというもので最近流行っているようですが、私は初めての体験でした。当日は7名ほどのプレゼンテーションが行われましたが、それぞれ様々な角度からテーマとなっている「入力」について語られ、これもなかなか面白かったと思います。ちなみにテーマについては「『入力』じゃなくて実は『人力』だったというのでもOK」というのはちょっと笑えました。

私自身ソフトウェア技術者の端くれではあっても全くの畑違いなのでどれほど楽しめ、また理解できるかが心配だったのですがそれらは全くの杞憂、実に興味深い話ばかりで有意義な時間を過ごすことができました。いろいろ面白い話があったので具体的にいくつか書ければと思ってメモを取りつつ聴いていたのですが、実はそのメモをうっかり失ってしまったので書く事ができません。ただ印象的だったのは辞書に対して全く人手による操作は行われておらず自動的に生成されているということと、当然のことながらやはりテストが重要だということでしょうか。これ以上の細かい話は色々な方がブログ等で語られていますので、それらをご覧いただければと思います。とにかく私は楽しかったので、また機会があれば参加したいと思いますが、こういう時は東京にいる人が羨ましいです。