iOS 4多少のトラブルはありますが。

今年に入ってからiPadや新しいMacBook ProMac miniなど魅力的な新製品を次々発表し、ファンの方々の物欲を激しく刺激し続けるAppleですが、今はなんといっても明日発売のiPhone 4が注目の的でしょう。初代iPhoneが発売されてからかれこれ3年になりますが、今やAppleの収益の柱の一つとなるまでになり、スマートフォンの代表的存在となっているiPhoneの最新モデルですし、WWDCのキーノートスピーチであれだけ魅力的に紹介されたら期待は高まるばかりです。

しかしながら、私自身は一世代前のiPhone 3GSを購入してからようやく1年になろうというところですから、さすがに買い換えるには早すぎます。とは言えやはり見比べてしまうと、特に人間の網膜の能力を超えたというRetina Displayの鮮やかさには心奪われてしまいそうなので、なるべく見ないようにしたいと思っているところです。どうも我慢しきれる自信がありません。

しかし、ただ指を咥えて見ているだけにはさせず、旧機種のユーザにも新しい体験を提供してくれました。それがiPhone OS改めiOSのバージョン4へのアップデートです。リリースされたのは米国時間の21日、日本時間では22日の2時という時間でしたが、さすがにそれまで起きて待っていては翌日の仕事に差し支えるので、朝5時に起き出してアップデートしてみました。あらかじめバックアップしておいたおかげかアップデート作業は極めてスムーズに進み、ダウンロードに30分、アップデートに15分程度というところでした。

新しいOSを起動してすぐに気付くのはホーム画面に壁紙が表示されることと、そこにアイコンがアニメーションで入ってくることでしょう。滑らかなアニメーションはあちらこちらに使われていますが、そのおかげで待たされている感じが薄れ、実際の速度がどうかはともかく体感速度は上がっています。これは重要なところだと思うのですが、他社のユーザインタフェースでは軽視されがちなところではないでしょうか。

この他にも変更点は大きなものから細かいものまで非常に多岐に渡っていますが、ここではとても書ききれませんし、詳しくレポートしている人もたくさんいますのでそういう方々にお任せすることにします。ただ、目玉となっているマルチタスクについては対応アプリケーションがまだ少ないので進化を発揮しているとは言えない状況ですので、今後を楽しみにしたいところです。また、アップデートしてから3Gの接続が非常に不安定になっていて、ふと気づくとデータ通信ができなくなっているというような問題がありますので、また近いうちに修正版がリリースされるのではないかと思っています。

ただ私が特に言いたいのは、今回のアップデートはコンピュータとしてはそれほど珍しいものではないかもしれませんが、携帯電話としては類を見ないものではないかということです。通常の携帯電話にもケータイアップデートのようなものはありますが、それはあくまで不具合の改修であったり、発売時に開発の間に合わなかった機能を後追いで追加する程度のものであり、これほど大規模なものではありません。新機種では明らかな機能差で差別化を図りつつ、アップデートにより従来機種の魅力を大幅に引き上げてさらに満足度を高めることで、「次もiPhone」という気持ちにさせてしまう、今のAppleは恐ろしい会社です。

ということで、とりあえずあと一年はiPhone 3GSで我慢できそうな気がしています。とりあえず、iPhone 4の現物を見てしまうまでは…